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パリ発 五感の穴

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シンガポール・友達とその先生と

シンガポールに行って、いやあしみじみ思ったわけだ。先生と生徒。この関係がうまくいくことほど、幸せなこともないなぁ、ってね。

何を持ってそんなこと思ったかって?そりゃあシンガポールでお邪魔したお宅が、友達の中学校時代の英語の先生でさ。そりゃあ人間味溢れる方なんだ。仕事の関係でシンガポールに赴任しているらしいけれど、とにかく器が大きい人ってのはこういう人のことを指すんだろうね。目は温かく穏やかで、ひげをわしゃわしゃ生やして、人懐っこく笑う。奥さんもこれがまたとびっきり。化粧の一つもしてないようだが、自然美あふれる優しい人でね。インフルエンザの研究をするお医者様だけど、ちっともインテリぶらず、フランクな人なんだ。

十年前に師弟関係だった二人が、今もこうして密な関係を持っているてのは、ほんと尊敬すべきことだなとしみじみ思ったよ。十年前、ねぇ。そりゃあ私がいきなり米国はミシガン州の新興住宅街の街に越して、英語がわからないもんだから、倫理のクラスに行っちゃあ居眠りして新米の先生を困らせたり、香水がきつ~い、科学のMsシュナイダーのクラスに行って、文字通り鉛筆転がして試験の答案用紙埋めてた時代から、って頃だもの。

中学校があった中国の瀋陽の話しをする二人のとびっきりの笑顔といったらないよ。瀋陽に行ったことがない私でさえ、にこにこしてくるんだから。この友達は、とにかく人を思いやる気持ちが人一倍強くてね。いやあ、忘れもしない、シンガポール最後の夜、お腹を壊してうずくまる私を、夜な夜な寝ずに看病してくれるなんて。そりゃあ、口で言ってもなかなかできないよ。

生徒が生徒なら先生も先生。初めて会ったその日から、すっかりその人柄に魅了されたよ。大胆なのに柔らかく、エネルギッシュなのに思いやりが溢れている。自分は自分、人は人、って割り切るタイプの私がだよ、こんな「人」になりたい、って思ったんだから、ただ事じゃないよ。

そんな二人を見てて感じたんだなぁ、生徒と先生。そのいい関係は、魅力的な先生だけでもだめだし、魅力的な生徒だけでもだめみたい。やっぱり最後は人と人。「人間力」溢れる生徒に出会い先生は「先生力」をあげ、尊敬すべき先生に出会い生徒は成長するんだなぁ。
by Haruka_Miki | 2006-03-02 00:00 |
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