パンダの切手が貼られた、一通の手紙を受け取りました。Par avionにU.K.ではなく、Grande Bretagneとあり、差出人は、2004年にホームステイで2週間お世話になったお宅のお母さんからです。クリスマスカードの返事だろうと思って、開かずにまずは夕飯の支度を。夕飯の後封を開けてみたところ、悲しいニュースが書いてありました。十数年連れ添った旦那さんとこの度離婚の手続きに入り、1月末に三人の子供を連れて、パリの同じ区内にある他のアパルトマンに移るとのこと。
(記事と関係ありませんが、以前行ったブリュッセルの道角です)
彼女はとてもよくしてくれて、一度ホームステイをしただけなのに、それからもパリを訪れた時は家に泊まらせてくれたり、パリに移ってからも、子供たちに会いに来て、と夕飯に呼んでくれたり、よくしてくれました。中学生の長女が日本文化に関心があるとのことで、日本語を教えていた時期もありました。日本人を受け入れつつ、完全なるフランス人の彼らは、ある意味で私にとって、フランスの家族はなんたるか、フランスの男女はなんたるか、フランスの子供はどう教育されるか、別荘に連れて行ってもらって、日曜日に一緒にチキンを丸ごと食べたりと、活きたフランス辞典でした。お母さんが田舎の人で、お父さんが生粋のパリジャンだったので、フランスのパリと地方の関係性について考えたりもしました。
数年前から、少し関係が難しいことは聞いていましたが、年ごろの三人の子供たちを考えると、いてもたってもいられない気持ちになりました。両親が仲が悪いよりも、別れた方がいいという考えかたもあると思うし、なにより3組に2組は離婚しているパリのこと、これは特段特別なことではないのです。けれど、統計が、実際に知っている女性や、子供たちの身に降りかかるとき、複雑な気持ちにならざるをえないのでした。
男と女だから、結婚したが最後、ずっと仲良くというのは当たり前ではないのでしょう。カップルが幸せに暮らせることを、当たり前と思わないこと、おごらないこと、相手を尊重すること、子供を愛すること。このカップルはそういう結果になってしまったけれど、子供たちの傷が、お互いの大人の傷が、どうにか最小限で済むように、陰ながら願わずにはいられません。
現在、日仏の映画、「
ユキと二ナ」が公開されています。日本でも、恵比寿のガーデンシネマでやっている模様。タイムリーなので、私も観てみたいなと思っています。