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パリ発 五感の穴

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ジュネーヴ・銀行のち国際機関ときどき仕立ての良いコート

旅の拠点をジュネーヴに移した。ロンシャンのバッグをきっと持っているような巻き毛のフライトアテンダントに、私がエールフランスでホットチョコをもらっている間、ロンドンから来る友は、完璧に効率的なオレンジのシャツを来た職員(アテンダントではないらしい)を横目にEasy Jetでジュネーヴに向かっていた。

ジュネーヴというあまりに唐突な場所で、我々は再会した。場所は非日常だけれど、なぜだか、あたかも大学の友人達がキャンパスの門で待ち合わせするかのように、自然で日常的な再会を果たした。じゃあ市内まで参りましょう、ということで電車に乗り込んだ。友にすすめられたチョコレートは甘くて美味でぼりぼり食べた。この街はチョコレート屋しかないらしいよ、とスイス製でないチョコレートを薦めながら友は言った。

不思議な街だ。想像以上に「地方都市」の香りが立ち込め、パリという大都市とは装いを異にする。「垢抜ける」という言葉はあまり適当でないのかもしれない。じゃあ「垢抜けない」のかって、そんなこともない。国際機関や各地域の金融機関がある土地柄、行き交う人々は千差万別だ。旧市街に入ると、石畳のその町並みの中で、夕暮れ時に人々が広場でビールを手にお喋りする。駅の辺りで道を間違えると、道でお客を待つ娼婦に出くわして少し面食らう。

不思議な雰囲気だ。欧州系の金融機関だけでなく、イスラーム銀行の存在が目立つ。スイス=金融の国、とはこういうことかなと、やっぱりチョコレートを口に放り込みながら思う。彼らの銀行としてのミッションや哲学は独特で、イスラーム銀行には、大学時代にかなりの関心を抱き、卒業論文にも取り入れたくらいだ。私一人、並々ならぬ興味を示す。

不思議な人々だ。静かに街をゆく人々が着ているコートの仕立てがよいこと。ヒッピーティックな言動を好むけれど、こういうのも好きだ。テイラーメードだとか仕立て屋という言葉に敏感だ。職人の仕事を感じるし、きちんと何かを着るという所作は素敵だ。コンサバで典型的ビジネスファッションも着方しだいなんだ。

意外にもメトロポリタン都市の異名を持つこの街は、どこか懐かしく、どこか地方ぽい。国際機関と金融機関という巨大組織がそこここに散々するのに、どこかグレイでオープンでヒッピーな香りがする。なんだか、こんな雰囲気ならばルソーもああいう考え方になるよなあ、と納得しながら、いやしかし、この土地にこれだけの金融機関や国際機関が集まったことに、どこか不思議な気持ちを抱きながら、小ちゃなベッドに横たわった。
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by Haruka_Miki | 2006-03-28 00:00 |
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