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パリ発 五感の穴

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高知にて・偉人の功にあやかる

旅をするとき、色々な旅の仕方があると思うけれど、とりあえずガイドブック順にまわるも一つ、あとはテーマを決めて巡る旅というのもあるでしょうぞ。私は、勝手に毎回自分のテーマを決めるのがスタイルです。テーマを決めると旅の意味合いが濃くなるのでお好みです。今回高知と松山をまわったのは、シンプルだけど、明治前後の偉人達を巡る旅、が旅のテーマです。

歴史の中でも、明治前後の社会の移り変わりが激しい時代の話が好きなもので。京から外れた江戸の町民文化なども興味を惹くので、そこから日本の伝統芸能への関心も尽きないのだけれど、やはり様々な社会の思想、常識が覆される時代は、衝突も多いけれど実にフレッシュで、何か「今」へのメッセージ性が大きい感じがするからかしら。

特に、たいがいの方々がそうであるように、私も例に漏れず、司馬遼太郎には感銘を受けて完全に影響を受けているなあと。(但し、幸か不幸か、多感期に教科書丸暗記教育や受験対策はしなかったため、細かい歴史などは想像を絶するのが本当のところ。歴史マニアの子が今度丁寧に勉強会を組んでくれるとのことです。ありがたや。)まずは「梟の城」、「功名が辻」、その後友人の薦めで「坂の上の雲」を読み松山への想いが強くなり、やっと「坂の上の雲」を読み終わると、「竜馬がゆく」を手にとりまして。今回の旅行と相成りました。

偉人てのは、やはり偉人です。なんというか、歴史を動かしただけの「器」、それが後の時代にもこれだけの人々を彼らの地に赴かせるわけだから。面白いのは、街や自然の風景を見て、ここがあの歴史上の人物が見た○○という言い方をすること。人間よりも前にあるものなわけで。環境が人を創るわけだから、その環境に偉人への想いを馳せるのは真逆な感じもする。けれど、そうしてしまう。桂浜を見て、なんだか完全に坂本さんの意志を汲み取るような気になってしまうんだから。

「ぐっとくる偉人」の存在は大きい。「ぐっとくる時代」の存在も大きい。以前、高校時代の米国史の先生が「歴史は繰り返すなんてウソだ。歴史は繰り返さない。同じ歴史なんてない」とおっしゃっていて衝撃を受けた。それはある意味そうだけれど、ちょっと屁理屈かなあとも思う。「同じ歴史」自体はないかもしれないけど、ある「瞬間」や「状況」にどんな風に「人」が交わったか、対面したか、その「姿勢」に意外と共通点は多いはず。学ぶところは多いと思う。

好きな偉人は誰ですか、時代はいつですか?
by Haruka_Miki | 2006-05-06 00:00 | Nippon
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