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パリ発 五感の穴

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ナイーヴなんて言わないで

映画「父親たちの星条旗」を観た。硫黄島の戦いのアメリカからの視点。来月に、日本からの視点で「硫黄島からの手紙」が公開される。

私はアメリカ合衆国に住んでいたことがあり、それは驚きのミッドウェストという地で過ごした。WASP(White Anglo-Saxon Protestant)に囲まれ、窮屈な思いをしなかったといえば嘘ではない。エミネムの歌にもあるように、私が暮らしたその地であれば8マイルという東西に横断する道を境に、肌の色・所得によって完全な住み分けがされる世界。裕福という点では、8マイル以上の地域に住むことになる日本人。だが、永遠にアジア人はアジア人だ。ジャパンバッシングをとうに過ぎた時期とは言っても、日本人(というかアジア人)に対する偏見が皆無という理想とは程遠く、いやあからさまな差別というよりは無関心さや無知が浸透している場面もあった。もちろん、負の面だけでなくって、すばらしい友人やそのご両親、家族ぐるみのお付き合いの方までいる。

今日の世界の現状を前に、絶望なり焦りなり悲しみなり無関心が漂う。アメリカ合衆国、その影響力は言うまでもない。その地やその地の人々に対するアメリカの外の人々の反応は、ポジティヴなものばかりではないのかもしれない。

けれど、あの土地に少しでも住んでみて思えること。それは、もちろん、苛立ちや閉塞感を感じたことも確かだが、あの国には沢山の人々が色々なことを考え、もし間違った選択を自分達がしたと気がついた場合は、そのことを認め、改善をしていこうという意識がとても高い人達が実際いるということだ。

国とか国籍の問題じゃない。けれど、アメリカは、外からの批判も多い代わりに、内なる批判、自分たちを冷静に見つめるマインドが少なからずある気がする。そんな姿勢に学ぶところは多いなあと、私は常々思う。今回の映画も、その一つなのかなと。

一鑑賞者としても、その度量と、自身への批判的精神を持って、作品を見ようと努めたのでした。
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by Haruka_Miki | 2006-11-04 00:00 |
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