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パリ発 五感の穴

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声明コンサート

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シンガポールからの同僚とその友人を引き連れて、スパイラルカフェでの声明のコンサートに行ってきた。歌舞伎を見たいという当初のリクエストから少し逸れて、声明。通常は、アートカフェ・ギャラリーとして使われているスパイラルカフェだけど、昨日の夜だけは特別。会場には心地よくも新しい音色が拡がった。日本人でも、というか私は実はこういう声楽を存じていなかったので、とても興味深いパフォーマンスだった。

声明は、日本の仏教寺院で、僧侶が儀式のときに唱える声楽のことで、ルーツを辿るとインドの五種学問(五明)の一つで、言葉の学問を意味するのだ。元々サンスクリット語(梵語)の学習がルーツの仏教の声楽を「梵唄」というのだけど、日本においては鎌倉時代以降に「声明」がそれに取って代わられたとのこと。なんと千二百年の伝統を誇る日本の音楽なのだそう。

さて、その声明を用いて、富山県は立山町で江戸時代まで行われていた「布橋灌頂会」を現代に再現したのが今回のイベントだと言う。元々、「布橋灌頂会」は、霊山と呼ばれる場所はいずれも女人禁制であり、救われない女性の救済の意味があるんだそう。布橋は、この世とあの世の境界の役割らしい。宗派を超えて、この「布橋灌頂会」を再現するこのイベントはなんと今年で15年目だと言う。

声楽と一言で言っても、お経を聞くだけでも、やっぱり聖歌とは随分異なるわけだし、そういうことを考えるときりがない。なぜか、柳田國男さんの顔が浮かんだ夕べだった。

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by Haruka_Miki | 2007-01-21 00:00 | Nippon
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