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パリ発 五感の穴

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ローラン・プティBallet入門

ローラン・プティBallet入門_f0079502_8164174.jpg幼少時代にやっていた習い事は意外と長く続いたものである。ピアノに関しては、お稽古が嫌だとごねることもあったように思うが、お習字は特に好きで、子どもながらに正座をしながら墨を摺る時間は心休まり、不思議とその魅力を感じていた記憶がある。

さて、そんな中どうしても水に合わなかったのは、バレーのお稽古だ。小学一年生位の時にやってみて、しかも自らやりたいと言い張った気もしなくはないが、こればかりは残念な結果だった。子供ながらに、バレーのお稽古がある金曜日は、大好きなドラえもんがあるのに、バレーのことを考えると憂鬱になったものである。子供は子供で、小さいような大きいような悩みがあるのだ。

自分自身は踊り子の才能をあいにく見出せなかったとはいえ、周りを気にせず型にはまらず身体をリズムに合わせて動かすことは元来好む。それが格好良いダンスでなくても、それこそ盆踊りでもいいのである。身体を動かすことは、プリミティヴにもっとも感情に近い表現形態で、実に自然なことで、なんとも心地よいものに思えるからだ。

また、上手な踊りを見るのもとても好きだ。というわけで、先週末、新国立劇場にて、ローラン・プティのコッペリアを鑑賞した。東京でピンク・フロイドの演目があった際から、一度ローラン・プティのバレーを見てみたいと思っていたので、楽しみであった。バレーと言えば、女の子の憧れで、美しいダンサー達が綺麗な服を着て踊る姿にうっとりするというのが相場だが、ローラン・プティの作品は、噂どおり、人間らしい人物描写や動作に、上品ぶったところは微塵もなく、エネルギーに満ちていて、時にコケティッシュな魅力さえ感じて、斬新であった。

ロマン主義的な感情や演出ばかりが先行することを杞憂していただけに、それが自分の固定概念に過ぎなかったことを知った。これを機にバレーにもっと触れてみたいと思った次第である。
by Haruka_Miki | 2007-05-22 00:00 | 芸術
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