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パリ発 五感の穴

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Detroit: Do I love you enough? You love me too much

高校時代の地元では、様々な再会があった。といっても、高校時代の友人にはあいにく一人も会えなかった。友人のその殆どが、その地を出てしまっていて、唯一地元で高校の英語の先生をする子も夏休みであいにく海外だった。旅立ち、それは当然祝福すべきことであろう。というわけで、再会の多くは大人たちとである。当時も大人で、今も大人の面々は、その地に居を構え、生活をしている。中でももう泣かんばかりの歓迎振りだったのはJとL夫妻。Lは私の家庭教師で、英語が全く分からない状況で宿題だけは一人前にもらってくる私と妹の英語の先生が奥さんのLだった。実は、今回行くことは秘密であったので、電話で伝えた時のその驚きぶりにこっちが驚いた。

私 「今どこにいると思う?」
L 「わー、久しぶり!んー、東京かな?」
私 「同じタイムゾーンにいるんだよ!」
L 「えー、じゃあニューヨークに仕事ででもきてるの?」
私 「いや、Lの家から10マイル位のところにいる。また両親がこっちに来たんだよ!」
L 「$%&`$%"A#%+"!(@A!?!?」

この二人はとても素敵なカップルで、とかく奥さんのLの豪快さが最高におかしい。笑うときは当然、ふふふではなくて、わっははは!となる。だんなさんのJはどちらかと言えば慎重なタイプで、まさに互いの持たぬところを補い合い、掛け合いも楽しい。

この二人の間には三人の男の子がいて、彼らときたらもう立派な男の子だ。もう昔の、おしゃぶ代わりに我が家で大根をしゃぶっていた渋い赤ちゃんの時とは違う。一番上の子が12歳、そう我が家が渡米したその時に生まれた彼は、次は中学生である。私のこと覚えている?私、あなたのオシメだって変えたことあるよ、ってめちゃくちゃ抱きしめると、そんなの知らないよ、とちょっと嫌そうな照れくさそうな顔をする。そりゃそうだ、12年経てばあんなに小さな赤ちゃんも立派な少年なのだ。

私がこの夫妻を心底尊敬する理由は色々あるのだが、とにかくこんなに心が温かくて大きな二人はなかなかいないというのが一番の理由である。一つ言うと、二人の一番上の子供、つまり12年前に大根をしゃぶっていた彼、は実はLのお腹から生まれていない。そう、最初の赤ちゃんが生まれたとき、Lはとくにお腹が大きかったわけでもなく、しかし何週間か後に本当に小さくてかわいい赤ちゃんを我が家に連れて来た。二人はお子さんに恵まれず、そこで大根の赤ちゃんが二人のところにやってきた。いや、やってきたというよりは、大人になって知ったが、養子を向かえるには法律上、また両親として適しているかなど大変なプロセスを経るのだ。法的な事項以上に精神的な誓約は大きい。教会やシナゴーグなどでお祈りをし、心から愛します、命の限り守りますと宣誓をするとLは教えてくれた。

不思議なことに、大根の長男がやってきてからまもなく、立て続けにもう二人の赤ちゃんを授かった。それまでどうしても難しかったのに。大根の長男がやってきて、多分母性が芽生えたり色々と気持ちに変化があって、自然にもう二人も赤ちゃんがやってきた。大根の彼の功績はものすごく大きい。LとJはこの三人をとても愛していて、三人はまるで個性が異なり、とにかく見てて面白い。一つ気になったのは、大根の長男は、もうそれはそれは甘えん坊なことだ。Lにべったりである。下の二人といえば、わが道を行っている。

米国社会では養子を向かえることが日常的で、沢山のカップルが養子をもらう。実は、私はそれをずっと目の当たりにしてきたので、まあ今はあまりピンとこないが、もし将来的に縁があって結婚をして、カップル同士で子供が欲しくなって、けれども授からないのであれば、ぜひ養子を迎えたいと思っている。けれど、もちろん簡単なことではないだろう。養子を迎えた他のカップルの話だと、養子を迎えた場合、そのことを子供に、物心つくかつかないかの段階で、あなたはママのお腹からは生まれてないの。他に生んでくれたお母さんがいるの。でも、ママとパパはあなたのことを愛していてずっとずっと守っていくからね。だから安心していいのよ、と伝えるほうが、隠すよりもいい方法だと聞いたことがある。

LとJの場合はこのように大根の彼に伝えたのか分からない。でも、その甘えん坊さを見ていると、本当に色々なことを考える。LとJは彼をものすごく深く愛している。それは目に見えているし、大根の長男も分かっている。でも、もしかしたら、わからないけれど、LとJが彼を愛しすぎていることも大根の長男は分かっているのかもしれない。

次の二人よりも、彼のことを、たぶん愛している。誰よりも愛さなくちゃ。そんな気持ち。なんとなく、感じる。多分、大根の坊やも、感じてる。
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by Haruka_Miki | 2007-08-06 00:00 |
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