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パリ発 五感の穴

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名残の茶

秋だなあと思う瞬間が多い。それは青く澄んだ高い空であったり、清かな風を受けてだったり、個人的には、パンプキンケーキが大好きな同僚のKさんが、ケーキ屋の片っ端から電話をかけてパンプキンケーキを予約し出すという年中行事にもある。まそれと同じ位四季を敏感に感じさせるのは、お茶のお点前かなと思う。

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仕事の合間に茶道の先生のところに行っている。秋が深まり、お茶のお点前も随分様変わりしてきた。十月、つまり神無月の茶趣は中置き、だ。お茶では、風炉か炉(お湯を湧かす釜)を使うが、今まで勝手付(壁側)に常据していた風炉が、少しずつ畳の中央に近くなり、お客さんに火を近づける。夏であれば、風炉の右側に水指を置くけれど、中置では風炉の左側に、細長い水指を置く。初夏からずっと使ってきた風炉が来月からは炉になる。その別れを惜しむ心情から、名残の茶とも言われるのだそうだ。

私がお茶を始めたきっかけは、岡倉覚三の「茶の本」である。忙しさに感けてお茶もご無沙汰になっていたから、明日は、ちょっと頑張って自転車で東京藝大美術館の岡倉天心展に出かけよう。
by Haruka_Miki | 2007-10-12 00:00 | 芸術
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