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パリ発 五感の穴

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究極のマーケティング

こういうブログで記すことが少しはばかれるようにも思いますが、とても大切なことですし。今朝読んだ、新しいタイプのコンドームに関するAssociated Pressの記事がなかなか面白かったのです。

"Anti-AIDS campaigners attempt to boost condom use by appealing to Ethiopian love of coffee"興味を引く話だからでしょう、CNNでもヘラルドトリビューンでもGuardianでも取り上げられています。

『アディスアベバ(AP) エイズの拡大防止に努める米国の団体が、アフリカ東部エチオピアで、コーヒーの香りがするコンドームを販売している。コーヒー好きが多い同国で、コンドーム使用率の上昇を図っている。 エチオピア政府の推計では、同国のエイズウイルス(HIV)感染率は2.1%で、首都アディスアベバでは7%を超えている。感染防止にはコンドームが有効とされる。 コーヒーの香りつきのコンドームを考案したのは、米ワシントンに本部を置くチャリティー団体「DKTインターナショナル」。コンドームのゴム臭に対する不満の声が少なくないことから、今回の商品を開発したという。利益が目的ではなく、コンドームを抵抗なく使ってもらうことを狙ったとしている。 「コーヒーの香りはみんなに好まれる」とDKTのスタッフが話すとおり、販売を開始した9月には1週間で約30万個が売れたという。価格は1箱(3個入り)が1ブル(約12円)で、他のメーカーのものより安く、喫茶店のコーヒー1杯の半分ほどとなっている。 DKTはこれまでも、その土地その土地にあわせて、ドリアン(インドネシア)やトウモロコシ(中国)などの香りがするコンドームを開発している。 』(CNN.jp, 2007/11/3)

ある外資系消費財の会社のマーケティング部で働く方に話を伺ったことがあります。マーケティングとは何か、その答えは、「いかに売りたい商品の売り上げを上げるか」だと明言されていました。私はその時、ある種の違和感を感じました。ニーズに基づいたマーケティングではなく、企業が売りたいものを売るためのマーケティング。それが現実かもしれません。しかし、言われぬ悲しさを覚えたのも事実です。

そのような現実が主流である中、エイズという目前の危機に挑戦するマーケティングは、とてもリアルで、必要不可欠で、しかし買い手が貧しすぎて利益を見込めないし、It just doesn't worth itという一言で片付けられ、市場がある意味目を背けてきたものです。

以前、とても興味深い話を聞いたことを思い出しました。カナダの大学に通っていた友人が取ったマーケティングのクラスでの先生の話です。マーケティングの教授曰く、「マーケティングは簡単だ。消費主義が当たり前の国において、それはいとも簡単な話だ。だけどみんな、そんなに高をくくるなら、考えてみて欲しい。発展途上国の、そうエイズで悩む国々で、明日ご飯にありつけるか分からぬ国々で、どうやったらコンドームを売れるか。これこそ究極のマーケティングだ。君達にそれができるか。」

私達にそれができるか。考え方によっては出来るようです。この記事に証明されるように。では、その資金をどうするか。ニューリッチの作った財団に頼る?チャリティーに頼る?NPOに頼る?国際機関が音頭をとる?それがまた次なる課題です。
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by Haruka_Miki | 2007-11-03 00:00 | 経済的営み
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