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パリ発 五感の穴

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Religional Economics

「宗教と経済」というのが、私が学生時代に好き好んでいたテーマであります。

しばしば、「政治と宗教」は一つのコンテクストで話されることが多いと思うのですが、経済体系が、社会的要素によってある程度色づけられているのであれば、その要素の一つである宗教と経済の関係は切っても切れないと思うんです。

原理主義的マルクス主義、共産主義の国での宗教の弾圧。イスラエルのキブツと労働シオニズム。プロテスタンティズムと資本主義。細かいところで、アメリカドルのプロビデンスの目の意味と背景。

経済的営みって、数式だけじゃわからない。だからこういうトピックが面白いなと思うのです。そして、手前味噌ですがイスラム金融です。3年前ではその世界の人にしか関心をもたれていなかったイスラム金融ですが、今では次なるターゲットと言わんばかりに、イスラム教徒の数が極めて少ない日本でさえも、様々な取り組みが行われようとしています。まさに、宗教ありきのビジネスが今、多々産声をあげようとしているのです。というわけで、19日の日本経済金融新聞の記事は面白いので抜粋します。

『アトラス、リース方式で、不動産投資、イスラム金融を活用。
(日経金融新聞 1面 2007/11/19)

不動産ファンド運営のアトラス・パートナーズ(東京・千代田、平井幹久社長)は、イスラム法に基づく「イスラム金融」を活用して国内不動産に投資する枠組みを開発した。イスラム金融は融資で金利を得る行為を認めていないため、特別目的会社(SPC)が不動産をリースする方式とした。中東のオイルマネーを呼び込む手段として注目を集めそうだ。

 イスラム金融は、イスラム法・シャリアにのっとった金融取引の総称。金利の概念を用いない、豚肉やアルコールなどイスラム法に反する事業と取引しないなどの特徴がある。マレーシアやバーレーン、ドバイなどが取引の中心で英国やシンガポールも環境整備に動いている。日本は銀行法上の制約があるため本格化していない。

 アトラス社はイスラム金融による投資案件の第一弾として、都内の不動産三件を四十三億八千万円で取得。クウェートのブービヤン・バンクが運営するイスラム法に準拠した不動産投資ファンド、ブービヤン・グローバル・リアル・エステート・ファンドが投資した。投資額は明らかにしないが、不動産取得額の四分の一程度とみられる。

 今回の枠組みは二つのSPCを使う。まず第一のSPCが不動産を購入し、第二のSPCに対してその不動産をリースする。ブービヤンは第二SPCに対して投資、第二SPCは第一SPCに対してリース料を払う。ブービヤンが直接取引関係をもつ第二SPCはモノの貸与に裏打ちされたリース取引をしているので、イスラム法上の問題は生じないという。

 今回の案件には、欧州でイスラム金融の実績がある独系ハイポ・リアル・エステート・グループがノウハウを提供した。日本子会社のハイポ・リアル・エステート・キャピタル・ジャパン(東京・千代田)が第一SPC向けに資金提供し、ブービヤンが投資した総額を上回る高額不動産の購入を可能にした。

 アトラス社は第二SPCを通じて不動産の賃貸業務や五年後をメドの売却管理を担当する。家賃収入や売却収入で最終的には年率一〇%を超す投資利回りが期待できると説明している。』

資本主義が宗教を次なるターゲットとして取り込んだのか。はたまた宗教が資本主義さえも取り込んでしまったのか。機会か脅威か。
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by Haruka_Miki | 2007-11-19 00:00 | 五感
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