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パリ発 五感の穴

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虫の目の高齢社会

祖母がグループホームというところに入って数週間が経つ。両親が仕事でどうしても近くに居られないので、少なくとも離れている間は祖母が安心していられるところということで入居をする運びになった。娘である私の母には相当の葛藤があるみたいだ。年を重ねた家族を真っ向から受け止める人にしか分からない苦しみだと思う。それまではずっと両親宅の近くのマンションで立派に一人暮らしをしてきていたが、やはり母も海の向こう、孫の私達も電車で何十分だと私達家族も心配。元気とは言ったって米寿も近い。やはり、美味しいアジのフライのお酢和えや、プリンをちゃちゃっと作ってくれた頃とは、勝手が違うもの。
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ここ数ヶ月で、母は随分とグループホームに関する知識を蓄えた。私も話を聞くうちに、多様なサービスや団体があることが分かった。主催者がNPO、私企業、市区町村の認定を受けた独立法人など違うと、ホームの雰囲気も全く違う。ちなみに、グループホームというのは、老人ホームとはちょっと違うみたい。現在、祖母が入居したところは、民間のグループホームだ。広いリビングがあって、個室もあって、個室には自分の電話も引ける。個室ごとに、住所も分かれている。共同のリビングとお世話をしてくれる人たちがいるアパートみたいなもんだ。もちろん、祖母の自宅のマンションにも、家族の私達が付き添えばいつでも帰れる。だから、その辺気軽に捉えつつ、のグループホームだ。

ちなみに、こういうグループホームに入る際には、ご老人は市区町村から派遣されたスタッフの調査を受けて、このおばあちゃんは要介護1とか2とか、頭の冴え具合を細かにチェックされる。最近は、ご老人も多いから、なかなか介護の必要度合いが多い認定は出にくいらしい。では困ったかと言えば、裏技としては、介護の必要度合いは場合によっては低い方が案外いいということ。ホームでお世話をする側からすれば、もちろん軽い症状の人の方が大歓迎なわけだ。それを証明するかのように、祖母がご厄介になっているところも、皆からだはいたって元気な人のみだ。

ここに入るまでは長い道のりだった。特に、母の葛藤はどうしても消えないようだ。でも今まで誠心誠意やってきて、今でも電話で毎日やりとりしているのを見れば、母には絶対一人で背負って欲しくないなあと思う。介護は、年を重ねた本人、そして間違いなく家族両方にとっての最善の道を模索することなのだと思う。グループホームというのが祖母を不幸にしているのかと言えば、そんなことはない。どれだけ家族の気持ちが伝わるかな気もするのだ。幸い、祖母ほど感謝の気持ちを絶やさない人をこの方見たことがない。電話をするたびにありがとうと言い、おばあちゃんは皆にこうしてもらって幸せですと言う。それって、お世辞とかおべっかとか、その場を繕うということがあまりできなくなった祖母にとって、本心なんだと思う。

人が、おぎゃあとこの世に生を授かって、育まれて、その世代のバトンタッチは、老若男女、持てる人持たざる人、皆に平等にやってくる。それをどうやって受け止めて、どうやって助け合うか。とりあえず、高齢社会をどうするかという鳥の目よりも、母に重圧がかかりすぎず、祖母に楽しく元気に過ごしてもらうにはどうしたらいいかという虫の目でしか、私の場合高齢社会は見つめられない。
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by Haruka_Miki | 2007-11-26 00:00 |
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