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パリ発 五感の穴

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お話しのシンボル

通勤の時に歩く道々では様々な動物その他に出くわす。私にとってはとてもありがたい。昔は、ムツゴロウ王国に就職するかカウガールになる(そういう職業が日本に存在するのかな?)と信じて疑わなかったので、動物というのは好きな方かと思う。
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(Peru, 山のどこか 2005)

たいがいは散歩中の犬、野良猫なわけだが、特に目立つ存在はカラスである。近所に大きな公園があるためおそらく寝床にしているというのが一つの理由だけど、それ以外にはやはり朝のゴミ捨て場に目を光らせ沢山の彼らを見かける。いつもこの上ない存在感のくちばしを突き出し、漆黒の羽をばさばさやっている。歩道を低空飛行したりするからちょっと困る。ゴミをつつく仕草からも、相当高度な知能をお持ちのようである。子供だったら傷を負わせられそうな威圧感で朝の道々を闊歩している。

もちろん、カラスも個性は十人十色のようで、トンマなのもいる。最近同じ道を歩いていて少なくとも四度はその姿を見かけたのは、ザ・自転車の座席を食べるカラスである。正確に言えば、いつもある建物の前に、同じ自転車が置かれているわけだが、座席部分を覆うビニール袋を必死に食べて(つついて?)いるのだ。つつくと穴が開くから、自転車の持ち主がまたビニール袋を新しくするようだ。だから、カラスは元の木阿弥でまた一からビニール袋をつついている。今朝も見かけたから、多分同じカラスだ。おかしなカラスだなぁと最初二回ほど見たときはあまり気にせず思ったのだが、やはり四度となると相当シュールで私のツボをついている。ツボを押さえた出来たカラスである。いや、、カラスも四度同じ人間に目撃されているとは気づいてないはず。もしくは確信犯?

さて、私にとっては(おそらく私だけ)そのカラスの光景が少しデジャヴュに感じられる映画を観た。Dairaさんにすすめられたユーゴスラビアの映画、「白猫黒猫」である。氏は映画通と見え、かつこの地域への造詣が深くてらっしゃるため、その意味でもかなり観る前から期待をしていたのだが、期待以上に底抜けにおかしな作品で、相当幸せな気分になって、映画たるはこうじゃなくちゃという余韻が残った。

お話はとかく直接観るに限るわけだが、この作品では二つの動物が話の折々に映し出される。まずは白猫と黒猫、そして豚である。ちなみに作品の内容に触れるようで申し訳ないのだが、大勢に影響はないと思うので申し上げると、豚はいつも廃車をぶひぶひ言いながら食しているシーンで登場する。(これと前述のカラスが私には重なって仕方がなかったわけだ)

映画と違い、普段の生活というのは基本的にシンボリックな存在だとか、メタフォーを擁する存在というのがそこまで存在し得ず、ナレーターもいなければ、客観的な目線もなく自分を「生きる」のだけど、どうもその「自分を自分で生きる」という目線以外に、そんなシンボリックな存在が在る・居るのだろうか。ま、仮にそのようなシンボルが私達の生活にも存在したところで、だからと言って、例えば自転車の座席をついばむカラスがどんな存在か知る由もない。
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by Haruka_Miki | 2007-12-04 00:00 | 五感
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