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パリ発 五感の穴

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去る準備

明日が現職最後の日である。

上司に夏からの予定を話して、現職を離れるタイミングを相談してから、
もう二ヶ月が経つのだ。

恋人である二人が喧嘩別れをしたら、よっぽど楽な別れかもしれないように、
私はその反対に、現職とのこの極めて円満な関係に終止符を打つことを、
いまだ完全には消化しきれていない。

ある程度現職に就いた時から、感覚的に一生勤め上げるというイメージはなく、
どちらかと言えば考えていた通りに今、次なるステップを踏もうとしているのだ。
そして、大げさな言い方では在るが、自分が人生の別次元に踏み込む時は、
満を持して、現職で最大限の満足を感じている時に、というのを一つの思いとして
持ち続けてきた。

そして、舞台はそろったようなのだが、肝心の本人は明日で会社が最後であることが
にわかに信じがたく、まるで人ごとのようである。満を持して辞める、ということの
Pro-Conはこういうところにある。

自身がそんなであるから、周囲もぴんとこないようで、明後日から電話をしても
いない、振り向いても私がいないという状況はどうもストンと落ちないらしい。
辞めるなんて、冗談なんじゃないの、と言われて、ほんとですねぇと笑う。

ぴんとこなくても、しなくてはいけないことはあるので、
お世話になった方々へのメールの文面を考えてみたり、
挨拶でまわる際のお菓子を選んだりするその作業を淡々とこなすと、
その行動と、頭の中での整理に大きな乖離があり、不思議な気分この上ない。

一人で抱えてみた不思議な感情を、お世話になった方々に少しだけさらけ出してみると、
なんだか少し去る準備になっているようだ。

まずは東京と海の向こうの同期たちに、現職を去る旨を伝えるメールを送ると、
思っていたよりも沢山の激励メールを頂戴し、そうして少しずつ身支度が進んでいく。

自分が自身を送る準備ができていないのなら、人に送られるように仕向ければいい。

身支度は進めど、しかし明日までにこの乖離がなくなるとは到底思えず、
いずれにせよ寂しさと楽しみとどきどきとが混ぜこぜになりながら、
明日という日を迎えそうである。

話しはずれるが、ここで思い出すのはアメリカの卒業式だ。
アメリカで、高校の卒業式をCommencementと言う。
Commencerはフランス語では始まる、の意味であるが、
アメリカにおいて、つまり卒業式は新たな章の始まりという理解なのであろう。

私の現職の卒業は、明らかに卒業式という卒業に重きを置いたものでは、
どうにもこうにも悲しく向かい合えそうにないので、ここはアメリカ式に
Commencementとしての現職最後の日を過ごそうと思う。
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by Haruka_Miki | 2008-03-12 00:00 |
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