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パリ発 五感の穴

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連れ添う

父と母は、大学時代からの付き合いで、それが縁で連れ添って今に至る。母が十八、父が十九のときだ。娘が言うのもどんなもんだという話だけれど、写真で見る当時の母はだいぶ綺麗で、真っ黒のおかっぱに祖父譲りの目鼻立ちが美しくて、たぶんそれは素敵な女子大生だったと察する。対する父は、アコースティックギターを引っさげたにこにこ顔の乗り物マニア、失礼、理系の学生だったようである。ま、その結果、ご存知の通りの娘が誕生しました...。なんで?笑

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(ブエノス・アイレスのパレルモソーホーの建物)

人間なので、それぞれでそれなりのテンションがあったり、たぶん娘の私には分からないことを沢山分かち合ってきたのだと思うし、父は私にとって父でしかなく、母もまた母でしかないのだが、当然父にとって母は元恋人で、奥さんで、母にとって父は元恋人で、旦那さんということになる。不思議。ハナレグミの唱、家族の風景みたいな不思議さが、家族にはある。

基本、多くの日本のカップルがそうであるように、我が家のまたお子様(私と妹)が家族の中心になっている面も否めないのだが、最近は、私も妹も段々一人前(の一歩手前)にきたので、父と母の二人の時間というのは、その昔位多くなっているのだろうと察する。まー、いつものらりくらりやっている二人のようだが、こちらも大人になったからか、『こども』のときには語らなかったようなことも語る。

さて、その母と話していて一つ。母が一番人生で後悔していること。それは、三十年弱で一度だけ父のことを信じてあげられなかったことがあったのだと。父の力を過小評価してしまったのだと。内容は些細なことだけれど、長年連れ添った母は、その自身がすごく悔しくてやるせない気持ちを今でも時々思い出すらしい。

私はといえば、それなりに国立大に行って、自身の仕事とかやりたいことだとか自負や自尊心ばかり大きくなったのか、以前主婦業専門の母に「私はママみたいになりたくない」と言い放って、それは母を傷つけた。今は母が傷ついたのと同じくらい、私も言ってしまった言葉の痛みを忘れずに生きていく。

家族との会話はたいがい軽く、穏やかで、時に涙を誘う。たいがい笑いに変えるのだが、だからこそそんな自身の心を打ち明ける会話は心に残る。

と、電話越しに話しながら考えれば、明日は母の日。二人でBENOITで歯を見せながら多いに笑って、ときにほろりな時間を過ごして参りましょう。
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by Haruka_Miki | 2008-05-10 00:00 |
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