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パリ発 五感の穴

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余韻の忘れ物

ある近い人が言った。夕方はいやだって。なんだかすごく分かるよ。それは静かな、郷愁的な、気持ちを誘う時間だ。特に、日本の夏の日のそれは、たまにとても静かでたまらない気持ちになるんだ。

抹茶を頂き、みたらし団子をほおばり、手巻き寿司を食らい、冷酒を愉しみ、浴衣を着て、寝そべって盆の花火を上から浴びて、線香花火比べをして、いっぱい日焼けをして、ビーチサンダルや下駄でどこまでも行く。今年の夏は、いつもの夏に増して、夏らしい。遊びまわって、お陰で夏ばて。

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日本を離れて、恋しくなるのは何であろう。それは、ピンポイントで、大切な人々である。それに加えて、店員さんのサービスのよさとか、しめさばの寿司とか、花火の後の月空とか、邪魔っ気な電信柱の向こうに見える夕日とか、火鉢とか、蚊取り線香の香りとか、美味しい料理酒が簡単に手に入ることとかもあるのだが、多分、一番恋しくなるであろうは、この社会が持つ、「余韻」かなと思う。

中学の頃によく唱って、大好きだった歌にThe Boomの「からたち野道」があって、何度となく観たドラマに「北の国から」があって、同級生に話してもはて?という感じに私はそれぞれにはまっていたわけだが、それは、随分と悲しい歌で、切ない作品で、私は当時よく意味が分からずに口ずさんでみたり、観ていたのだが、あの情感は、多分、この文化ならではの静けさを表していて、どうしょうもなく胸がしめつけられる。

人の、空間の距離感の取り方や、時間の間の取り方や、アクションの後の静けさ、そういう情感を一番恋しく思うだろう。そして一番懐かしく思うだろう。

それは、

手荷物にも預け用荷物にもおさまらない、航空便の小包にも船便にも入れられないんだ。
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by Haruka_Miki | 2008-08-18 00:00 | Nippon
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