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パリ発 五感の穴

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コスモ

昨晩は、ちょうど私と同じ時期にパリに越してこられた日本からの友人の家で、ハウスウォーミングパーティがありました。大学の友人と集うことが多いのですが、ローカルな皆さんと話す機会というのは、大学と図書館と学食と寮の往復をしているとそこまで多いわけではなく、大変貴重なものです。13人分の料理はすべて彼と彼のお友達の手作りで、大変美味でした。

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(学校近くの道)

パリにいると、そこにはかなり強烈な小宇宙が形成されていて、現実があまりにも不思議なアウラに包まれている錯覚に陥ることがあるのですが、これは東京にいたときにも少なからず感じた感覚であり、いつかこれがただの夢で夢から覚める夢を見続けているのではと思うことがあります(酔ってないです、悪しからず)。その感覚とは、ある伝統なりを強く放つ社会に身を置くことで、世界全体で統一的なもの―私の場合、グローバル資本市場、競争社会、アメリカニズムなどを思い描くのですが―から一歩引いた社会において、感じる感覚と言えばいいのでしょうか。守られているわけではないのですが、それは思っている以上に居心地がよく、その意味で、いつか夢から覚めるのではないかというぬくもりを持った社会なのです。以前、東京について、グリーンハウスと記したのと同様な感覚を、異なる次元でこの街でも感じるのです。

これはもしかしたら、私が結局はパリに身を置きながら、非常に限られた、ローカルなもの・方達と交わる機会が少ないからかと思うことがあるのですが、その所以は今のところ定かではありません。結局は、どこまで言っても私はこの街でエトランジェであるわけですが、冷めた言い方をすれば、それは東京においても反対に感じた、ぬくもりを感じつつも、どこか日本社会に150%コミットしえない感覚(東京にいながら外資系に勤めるとかそういう話をこめてです)と同様なのかもしれません。いえ、その議題すら、一つの社会では一つの文化なり一種類の方々とだけ交わるという前提が、そもそもナンセンスなのかもしれませんが。

いずれにせよ、私の中で、環境の慣れに伴い、この小宇宙の温かさと外界にはたしてまた出られるのかという少なからずの懸念への対策として、そんなことを考えない位に、この小宇宙にどっぷり浸かってしまえばいいのだ、と日に日に考えるようになりました。その中で、大変いいご縁があり、実は近いうちに寮を出て、ローカルの女性とルームシェアをすることが決まりました。縁というのは不思議なもので、美大卒のこの女性とは、いろいろな面で似ているところがあります。馬が合う場合、そういうことは言葉でなく感じるわけで、彼女とはとてもいい共同生活ができそうです。特に、彼女は大学院が一緒なわけでもなく、どっぷりこの社会に住まう一人のアーティストであり、また勉強をする方であり、仕事をする方のようです。家は世界大戦以前に建てられたアパルトマンで、アトリエが集まり、日曜市が有名な商店街沿いにあり、窓からの眺めと、彼女のエスプリに満ちた部屋に私はただただ感嘆してしまいました。

あのアパルトマンと新しいお友達との共同生活は、小宇宙を愉しむ次なる大きなきっかけになると思います。
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by Haruka_Miki | 2008-10-11 00:00 |
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