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パリ発 五感の穴

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シンガポール・エスニシティ見物

先週、二日休みを取り、シンガポールを旅してきた。

2001年春にカンボジアからマレー半島を旅した頃、シンガポールは最後に旅を終えた場所だった。最後の地、シンガポールは、どこか綺麗で近代的で、残念ながら当時自身の関心を惹くことはなかった。きちんと見ることなく過ぎたその地を、きちんととらえたい、今回もう一度戻る。

遠めには非常にスマートで、近代的で、清潔な国。自分の足で歩くことを始めると、色々と発見がある。まず目を惹くのは、至るところでお目にかかる、複数の公用語で書かれている標識だ。たとえば「シンガポール」ならこんな具合に:

Republic of Singapore (英語)
Republik Singapura (マレー語)
新加坡共和国 (中国語)
சிங்கப்பூர் குடியரசு (タミル語)

中華系が76.7%、マレー系が14%、インド系が7.9%、その他が1.4%となっている。華人、マレー人、インド人からなる複合民族国家というユニークなお国柄が見える。「観光客」は「観光客」らしく、仏教のお寺や、イスラームモスク、ヒンドゥー寺院を訪れる。新しい国だから、それぞれの建造物が古めかしいわけではないけれど、通常だと入りにくい寺院やモスクといった空間に足を踏み入れることができるのは珍しい。

なんとハイカラ、なんとコスモポリタン。いやだからこそ、国家が取り組むチャレンジも多いのかもしれない。チャイナタウン、リトルインディア、と住み分けはかなりきちんとしており、全てがごちゃまぜに混ざるわけではないようだ。エスニシティが優勢な順に、力関係や文化の幅の利かせ方が決まってくる。国もそのことをチャレンジとして、国民の教育に力を入れているようだ。

中心街から南西に行ったセントーサ島にある博物館は、「観光客」のためではなく、「国民たち」のためにと大きくうたって、複合民族国家としての国の歴史や主要三つのエスニシティの文化を追っていく。最後にはさまざまなエスニシティの子供達が手を取り合う。

エスニシティの問題は決して完全な解決がない。傍観者には簡単なことも、当事者には大きな壁として立ちはだかる。時にそれは理論ではどうしようもない。人が人として生きるとき、それは理屈でない問題として立ちはだかる。

しかし、人々がたゆまない努力を続けるとき、失敗や困難を受け入れ、真っ向から取り組む姿勢はエスニシティの問題を、問題でなくチャレンジにする。シンガポールにそんなチャレンジの姿が見えた気がして、清清しかった。
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by Haruka_Miki | 2006-02-26 00:00 |
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