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パリ発 五感の穴

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恋愛小説

いつだったか、二人の作家さんによる冷静と情熱の~という小説が結構流行りました。私も話題作なので、この本の青の方だけ読んで、おや?という感じでいまいち入りこめずに止まってしまい、結局赤は読まず仕舞いでした。その理由はいくつかあると思うんですが、そもそも作者さんのスタイル、情感という根本的なところがどうも私個人の嗜好と異なるというのと、お話として基本的に自文化で素直になれにきれなかった二人が西欧で、というパターンに感情移入ができなかったものと思われます。もしかしたら赤から読み始めたら、また状況は異なっていたのかもしれません。

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恋愛についての本は百万とありますけど、私の場合は、冷静というのは恋愛に存在し得ないかなぁと思い出して、もしかしたらそこで前述の本にいまいち入り切れなかったのかもしれないと思った次第です。恋愛をする時に、冷静であることは可能なのでしょうか。私は、とても感情的な性質なので、これはかなり厳しいなと個人的に思います。では、情熱だけかと言えば当然そうでもなく、私が作者だったら、なんと言うでしょう。安定と情熱の~でしょうか。コンフォートを求める気持ちと、パッションを求む気持ちを両立させたい、そういう欲張りさを持ち続けている気がするし、結局それぞれが私個人にはとても大切なエッセンスです。これは、結局、友人関係でもなんでも言えると思うんですが。自分の価値観を崩してくれるような破壊的な魅力と、互いの間に生まれる和の両方が拮抗していることを、そして自分も誰かにとってそうであることを、どこかで願って止まないのです。

先日、東京にいる大好きな方のご友人@パリとバスク料理のお店に行ってきました。この方もとても素敵な方で、話しが興味深く、それは愉しい夜でした。話は当然(あなたも好きね)色恋話になりました。いかにフランス人女性が、六十歳になろうとも、友人の彼と二人きりでご飯をしようという時はいつにないお化粧をまとってきてくれるかということ、そして髪の毛を切ったねと言うと、はにかんで笑うこと、それはただただ、恋愛だけでなく愛らしいこと。恋愛とは一風縁のない生活をしていようとも、その魅力はいまだ、いや若き日に一層増して、みなぎる自信とやさしい温かさで包まれていること。なんとなくそういう文化にいると、私自身、刺激を受けるところもありますし、だからといって恋愛至上主義=情熱を謳歌すればいい、というわけでないことを肌で実感するところです。

どうもこのテーマを考えると、私はクンデラさんと荷風さんと大江さんの本を開かずにはいられなくなるのです。

“There is nothing heavier than compassion. Not even one's own pain weighs so heavy as the pain one feels for someone, for someone, pain intensified by the imagination and prolonged by a hundred echos.” - Milan Kundera
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by Haruka_Miki | 2008-12-13 00:00 | 五感
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