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パリ発 五感の穴

fivesense.exblog.jp

2007年 10月 06日 ( 1 )

鎌倉を上から見るか下から見るか

予定待ち合わせ場所、大船駅下りホーム最前部
予定待ち合わせ時間、11時

互いを見つけた場所、3両目辺り(私が最後部に間違って乗ったため)
変更後の待ち合わせ時間、11時半(私の寝坊による)
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土曜日。ただ昼ごはんをするのも久々に会うわけだしもったいないということで、大学の友と「東海道線で行く鎌倉散歩の旅」をすることになった。部屋の面積に対して、人口過多の誕生会ぶりだ。友は、色々と豆知識博士なため、小旅行をするのにもってこいの相方だ。ふくろう博士でバイトしたら結構名物先生になると密かに思っている。

まず由比ガ浜に向かうと、観光客がいない今こそサーファーの季節。多くのサーファーは自転車にボードを据え付けられるパイプをつけている。何に使えばいいかわからないけれど、とりあえず私もあのパイプを自身の自転車につけたくなる。カフェで油を売ってから、散歩を開始。住宅地に入ると、キンモクセイだ何だと花々が美しい。水色の小さな花が咲き乱れていて、ちょっと名前は分からない。一本道が多いので、少々苦労する。実はこの散歩の目的は、名越の切通しを見ることにあった。切通しが何かさえ分かっていない私だったので、ふくろう博士のレクチャーを受けつつ、水を飲みつつ歩く。切通しは山や丘などを掘削して、交通を行えるようにした道のことで、起伏が激しく三方に囲まれた鎌倉の陸路の入り口。鎌倉七口の一つが、名越切通しだ。途中で道を近くの人々に聞くが、どうも芳しい回答はない。九十は過ぎたおばあちゃまは、鎌で草を刈っていて、歯がないので道を尋ねたのはいいものの、聞きにくいといえば聞きにくいし、鎌がちょっぴりおっかない。新聞屋のおっちゃんも何となくあやうやである。最後に金物屋のおっちゃんが道を教えてくれた。よかった。

道が分かったところで、ここからが次なる挑戦だ。墓地ありますの看板を横目に、お寺の門をくぐり、急な石の階段を登り、腰の高さまで生えた草の中を勇敢に進み、木々が見えたら、道が二手に分かれ、会議の結果左に行くと、とても不思議な洋館が左手に見える。こんな急な小山の上になぜ住居があるか分かりかねるし、窓はふさがれているし、ステンドグラスまであったりで、あまり深いことは考えないように素通りする。素通りしたはいいが、今度は猫屋敷なるものが見えてくる。簡単に作られた木の小屋の周り、歩いても歩いても猫だらけなのだ。お日様も出ているし、連れもいるから平気だけど、一人だったら確実に怖い。といやーな気持ちになっていると、眼下に切通し。切通しのど真ん中に大きな石が置いてある。これは、敵の侵入を防ぐために、わざと置いたのだそうだ。そして...ここにも猫がいた!

その後は山を降りたい、しかも鎌倉の街の方に降りたいと思うのだがこれがなかなか至難の業である。進んでも進んでも一向に下界には降りれない。眼下に見える街々がとても遠い存在に思えた。と、どきどきしていると、たまに他の切通しファンがにゅっと草むらから現れるので、これは心臓によくない。鎌倉はポピュラーなのに、この小山と言ったら鎌倉からぽっかり切り離されたようと考えていると、展望台というのを見つける。ここからの眺めが大変美しい。自分が、世にも奇妙な物語の一員になったような経験だったが、この時ばかりはその不安を忘れた。

それなりに長い間歩いて、最終的に小山を出られた時の喜びと言ったらない。その喜びの反面、鎌倉の住宅街は、そんな小山の小宇宙や、私のどきどきを全く気にすることなく、ごくごく普通の住宅街として落ち着きを払っている。近くでは、新築物件の見学会などをしていて、なんとも平和な雰囲気。何かこう、さっきまでいた小山との時空の分断を感じる思いだった。疲れた時はお茶をしましょう。浄妙寺で抹茶とお菓子を頂く。広い座敷から枯山水の庭を見て落ち着く。

鎌倉の切通しの旅にぜひ。切通しを見つけられるかは少し運次第、そして下山できるかも運次第。なんともスリリングな気持ちであるが、その後の抹茶は格別、なはず。
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by Haruka_Miki | 2007-10-06 00:00 |