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パリ発 五感の穴

fivesense.exblog.jp

2007年 10月 13日 ( 1 )

人の目線の色

小学生のとき、太陽と雲の絵を描きなさいと言われたとする。日本の小学生がもれなく赤色で太陽を塗りたくり、水色で雲の輪郭を取る。色というのは多分実際に視覚している(と感じている)ものと、色そのものは必ずしも一致しなかったりするのかもしれない。様々な概念が社会的に形作られるのなら、訳もない。文化間の違いもあるだろうし、個人間の違いも確実に存在すると思う。自身の思い込みで感じていた色と、他の人の視点で見た場合の色が異なる場合も、いい意味でショックを受ける。

勤務先の隣にある美術館に行ってみて、この衝撃を受けたのであった。写真美術館で開催されている「鈴木理策:熊野、雪、桜」展である。ある程度の敏感さを持っていれば当然のことかもしれないが、白にも様々な白があり、白は紛れも無く「色」である。このことを忘れてしまう日常を私は生きている気がする。第一に、その辺の感覚を研ぎ澄ますことなく鈍らせてしまっているというのもあるだろうし、前提としてある種の固定概念が自分にあるからだろう。

写真を通すと、他の人の目線で、カメラを通してものを見る。「いつものもの」もまた、新鮮味を帯びる。例えば桜である。桜は、ソメイヨシノなど私にとってはかなり白に近いイメージがある。けれども、写真を通じて見えてくるその色は、白みがかっているが紛れも無くうす桃色である。雪の色は逆に、真っ白ではないようにも思える。不思議な陰影を含んで見える。

白黒つける、という言葉があるけれど、言葉と違い実際にこの世の中はそんな二文法ではカテゴライズ不可能な存在で溢れていて、色はそれこそ、その最たるものかもしれない。
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by Haruka_Miki | 2007-10-13 00:00 | 芸術