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パリ発 五感の穴

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余白の美

先日ソウルに行った時に観た、三星美術館Leeumの特別展、"Void in Korean Art"がなかなか印象的だったので、記しておこうと思います。
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「韓国美術におけるVoid」がテーマのこの展覧会、"Void"というのはつまり、文脈で空間だったり、空虚だったりいくつかの意味合いがあるのかと思いますが、余白、と言うのが一番しっくりくるかなと思われます。とても民族的で、とても特徴的なキュレーションで、国内外の人問わずキャッチーな展示会だと思いました。

国宝を含む伝統美術から、現代技術に至るまで時代やジャンルを超えた幅広い作品が展示され、「余白」をテーマに一つ目のエリアでは、自然の中に余白の発見していき、二つ目のセクションでは自由と余白にも満ち足りたものが在ることを見出し、最後のセクションで、余白が新たな創造性への道を開くというような構成で展示されています。

芸術家の方々が、韓国的だ、日本的だ、韓国人アーティストだ、日本人アーティストと括られて心地よいか否かはひとまず置いておくと、とりあえずこの展示会のテーマに絞って考えてみると、展示自体も謳っていることなのですが、この「余白」という概念にここまで焦点を当てること自体が、とても非西洋的で、というよりは、具体的には、おそらく私が感じえた限りでとてもコリアン的で(韓国という言葉と朝鮮という言葉のいずれがいいのか分かりかねるので片仮名で残します)あることなのだと受け取りました。その発見ができた点で、とても興味深い特別展だったなぁと思います(私の好きなLee Ufanさんの作品もありましたし。それこそ、「余白」です)。

芸術にふれると、なんというかそういうバックグラウンドにどうしても興味が湧いてきてしまうので、ではなぜ「余白」がテーマな土地柄なのか、色々想像を巡らしてしまうのですが、何かコリアン思想についての良書があったら手にとりたいと思ったり。つまるところは、空間の認識が例えば日本のそれとは異なる点があり、やはりそれは地政学的なものもあり、宗教観もあるんでしょうしと。もちろんここにも、陰と陽が強い影響を持ってきているのかなと、そんな感じの展示会鑑賞でありました。

いい気になって、ソウルの書店で芸術雑誌らしきものを購入したのですが、もちろん読めません。これは韓国人の友達に助けてもらうしかないですね。
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by Haruka_Miki | 2008-01-29 00:00 | 芸術

時の音と太陽の傾き

久しぶりに父母がそろって日本にいる。祖母宅に行くと、小さいキャリーオンのスーツケースが二つちょこんとたてかけてあって、二人の靴がそろえてある。普段はそこに両親は住んでいないし、私も住んでいないけれど、昨日も、一昨日もその家で朝ごはんを食べたかのようにすっかり生活を立ち上げている。それは愕然とするほど普通の日常の風景で。

時々、世界がもっともっと小さければいいのにと思う。

f0079502_16375564.jpgニューヨークの友から一通のメールがあって、こちらは凍る寒さで一番の贅沢といえば、家で暖を取ることです、と書かれている。日曜午後の部屋で本を読んだり、音楽を聴いたり、モロッコポットでお茶を淹れる私と一緒の贅沢だなぁと思って読んでいる。一緒にお喋りすることもできるだろう。キャリーオンに必要なものだけ入れて空港まで行けば、いつでも飛べるけれど、そんなことはやっぱりしない。

遅ればせながらThe World Is Flatを読み始めて、でもやっぱり文脈自体で世界は平らというよりはやっぱり丸っこくて、時の音とか、太陽の傾きやひだまりは、やっぱりなかなか共有できなくて、もどかしさは世界が近くなればなるほど大きくなる。

サニーデイ・サービスなんて聴いてるからその気持ちが助長されるってもんでしょう。
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by Haruka_Miki | 2008-01-27 00:00 | 五感

今週の周囲の小噺

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親しい先輩が、近くインドに渡って本格的に修行の道を歩むと聞き、前々からそういうことを言っていたが、いざ実際に行動に移そうとしていると聞くと、納得しつつもやはりたまげるところもあり、やるなぁという感じである。

会社で派遣で働いているスタッフの一人の方が、本職は映画の字幕翻訳家であることを知った次第。話しの折に、言葉の運びが巧みで一風ひねりがあるなと思っていて、納得しつつもやはりたまげるところもあり、やるなぁという感じである。

同僚が来月結婚することになり、もう新居を構えているのだが、なんでも結婚するまでは一緒に住まない仕来りとかで、しばらく寂しいですねと周りが言えば、いえ、まあ別にいいんです、彼はもう新居に住んで色々とそろえてくれてるんですけどね、まだ新居には一度しか行ってない、今のアパートより会社に遠いし、なにより新居は寒くって仕方がない、どっちにしても行く前にはちゃんと部屋を温かくしておいてくんなきゃ行かないわ、ってはっきり言っているんです、と同僚。すでに若奥さん、やるなぁといいう感じで一堂大笑いである。

二番手の派遣の方は、奥さんとは、ひなびた日本家屋の古本屋で、奥さんが店番していたところで出会って、彼女が店番のときは毎週通ったというんだから、なんていう趣、チーム一堂やるなぁという感じでうなっていた。

友人だ、同僚だの話を聞いていたら、下手な物書きの作品よりよっぽど生き生きしていて、そりゃああんた、人様の実際の人生なんだから生き生きしていて当然だろ、って横から声が聞こえそうである。
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by Haruka_Miki | 2008-01-24 00:00 |

ソウル・自然「派」韓国

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今回の旅の目的は、街と人々の動向ウォッチングです。ただの怪しい人のようですが、本当です。具体的には、ソウルで今どういうお店が賑わっており、どういう食べ物が好まれ、人々がどういう行動を好むのかをウォッチしようという、草の根市場調査のような旅です。

食について特に注目をしていたので、週末は本当に食べ通しだったのですが、とにかくいわゆるローカルなものの中でも、おばちゃんが経営するような小さな定食屋はもちろん、より大きなTGI FRIDAY他に代表されるアメ食の店も多く立ち並び、その混在を多くの場所で目にしました。東京以上に露天が多い印象で、しかも露天もさきイカの店から、たい焼き屋から、飴屋まで様々です。その反面ドーナツ屋やヨーグルトデザートの店も多く、元々アメリカの会社だと分かる店も多いわけです。これは購買にも言えるわけで、スーパーマーケットも、皆さん大きなかごで大量購入。その辺に何か、アメリカ的な側面を見るのでした。 

もう一つ注目は、食について、またそれ以外、例えば美容に関して、日本以上に「自然派」がマーケティングで一世を風靡しているのが手に取るように分かったことです。あの様々な野菜を使っての前菜群は圧巻ですし、「あの女子に人気な」と私がお世話になっている美容師さんに形容された雑穀米も店頭でポピュラーなようです。後者の美容ですが、調査では、韓国では日本と比較して年間二倍もの化粧品が売れるとか。その中で、美容もオーガニックのトレンドを受け、10メートルに1店はあるといっても過言ではない化粧品店チェーンは、こぞって自然派化粧品を揃えていました。

ここでミソなのが、あくまで自然「派」であることであり、本気でオーガニックな成分のみを使用しているかは別の話だということです。フェイスパックにきゅうりの絵が描いてあっても、もちろん、きゅうりだけならばきゅうりを切って顔に貼っておけばよろし、ということになります。

ヨーグルトデザートも同じことで、本当の成分が何か定かではないのではっきりしたことを申せませんが、Low Fatが売りの商品を売るデザート屋のアイスも、どうもサッカリンのような味、どこか普通の砂糖ではない味を感じずにはいられませんでした。

自分がいつも身を置く文化圏でも、おそらくどれもこれも起こっていることなのですが、一度いつもと異なる生活圏に行くと、見えないこと、例えば「自然派」という誘惑などを垣間見た週末だったのでした。
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by Haruka_Miki | 2008-01-20 00:00 |

ソウル・仁寺洞

道端で人生案内
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もくもく
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瓦屋根、危なっちくてそれも味です
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荷物はどこに運ばれるんでしょう
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by Haruka_Miki | 2008-01-19 00:00 |

ソウルフルソウル

自分へのごほうびに、という言い回しが流行する今日、それが適当な言葉かは分からない強行軍でソウルに行ってきます。体力がある友にお任せすると、こうなるので要注意。

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金曜日 夜 
羽田発 0時

月曜日 明け方
羽田着 5時



金曜日と月曜日の服装が一緒でもご愛嬌ということで。とりあえず、パスポートもっていけばいいでしょうか。
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by Haruka_Miki | 2008-01-17 00:00 |

寒い日に温かいこと

東京は今年一番の寒さという今週末。ついつい寒い、が口をついて出てしまいます。

土曜日はもつ鍋を囲んで、昨日は遅めの関西・関東のお雑煮を食べつつ、飲み語らい、ぽかぽか楽しい時を過ごしました。いずれもお友達宅にお邪魔をしたのですが、やっぱり家っていいなぁ。私はどうもお家が大好きです。失敬勝手でくつろぎまーす。お店とは違うもの、やっぱり家飲み・家飯はいいですねぇ。お呼ばれ、ありがとうです。ぜひ今度は我が家でもおもてなしさせてください。
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もつ鍋の会では、久々に博多から上京した友達にも会え、この会に集った大学の友達が不動産だ、プリンシパルインベストメントだ、石油だ、出張だ、残業だ、という言葉を何の不思議さもなく口にすることに、数年前の私たちが話していたテーマを考えると、大層不思議な気分になり。

お雑煮の会も、これがとても楽しかった。私は基本お餅が好きなので、小腹が空くと焼き餅に海苔を巻いて食していますが、この時期のお雑煮はまた乙です。特に、関西のお雑煮って最近では殆ど口をしたことなかったし、祖母がいくら入りの白味噌のお雑煮を作っていたその昔をすごく思い出しました。美味しかったー。ごちそうさまです。私も技量不足ながら、だしのお雑煮を担当しました。友人の経済学への愛を再確認すると共に、アートについて語ったり、農業について語ったりと、ざっくばらんに話せて、語る会はすてきだなぁとにこにこ帰路についたのでした。

二つの会で、二つほど自分に引きつけて考えたことがあります。

まず前者では、私がこれから選択しようとしている道に対し、ある種の確信を持つことができました。決断をすることはそう一筋縄ではないものですが、やはり自身の立ち位置を客観視すると見えてくるものもあります。

後者の会の内容を自分に引き寄せるとすると、やはり関心はアートの部分です。大変抽象的な言い回しで恐縮なのですが、アートのディストリビューションという立場の酸いも甘いも知った上で、いつか長い目で見て自分がアートのディストリビューションに関係を持っていければと思った次第です。それが、既存のディストリビューションの方法であるか否かは分かりませんが、せっかく実務に携わって今まで仕事をしてきているので、それを生かしてこの思いを持って活動ができたらと思います。

あー北風が寒い寒いって、「寒い」を溶かすのは暖房の温かさだけでも、部屋の明るさだけでなく、やっぱりいつものように友人との会話でした。
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by Haruka_Miki | 2008-01-14 00:00 |

初釜に行く

水天宮前のロイヤルパークホテル内の茶室、耕雲亭で初釜がありました。

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耕雲亭は手入れが行き届いた日本庭園を前に、四畳半の茶室もシックで、素敵でした。やはり初釜の時期は、都内の茶室の数も限られていますし、今年の初釜のお茶室も、二年も前から先生がおさえてらっしゃったそうで。

なかなかいつもお会いすることがない社中の方ともご一緒できて、とてもいい時間でした。お茶のお仲間の仕事は本当に千差万別で、永田町の住人から板前さんまで色々な職業の方がいます。普段はさほどそうした話をしないのですが、本当にこうして色々な方とお喋りするのは楽しいなぁと思い。

初釜は社中で身内的なものなので、アットホームでとてもいい雰囲気した。朝早くから多くの方が着物をお召しになっていてほれぼれ。来年の初釜は私も一人で着物を着て、少しでもお手伝いできたらと目標をまた一つ持った次第です。

ちなみに、今日のお茶は小山園、お菓子はお正月らしく花びら餅でした。最初に濃茶、次に薄茶を頂き大満足です。花びら餅は、写真のように牛蒡がはさまっているわけですが、このお餅のお菓子に牛蒡を入れるという発想がかなり通だなぁ、日本っていいなぁと、その色使いに、味わいに、ジャパネスクな美しさを再認識したのでした。と同時に、薄茶席の水仙を挿したたおやかな花瓶は1930年代の北欧の花瓶。伝統だけでなく、こういう緩やかさを持っているところが、お茶の魅力でもあります。
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by Haruka_Miki | 2008-01-13 00:00 | Nippon

帰郷

f0079502_1351863.jpg映画監督で言ったら、ペドロ・アロモドバルは一番尊敬する監督の一人である。今夜は氏の作品、ボルベール<帰郷>を、ドライトマトを食べながら家で見ていた。と、旧友からの突然の電話が鳴った。それこそ、ボルベール=帰郷の知らせだった。

学部時代に、大学寮に住んでいて、その時の友人だ。元来の風来坊に加えて、東京にはおらず、メディアという時間や場所が読めない仕事。全く音沙汰がないかと思えば、突然「おー、今渋谷にいるんだけど」となる。

元気に仕事をしているという話を聞くことほど嬉しい知らせはない。次会えるのはいつか分からないけど、途切れるようで続く、そういう間柄はこれからも続けたい。

男性の友人の中には、結婚をしてからやはりどうも疎遠になってしまった友達もいる。守るべきものがあるから、それは十分承知なのだが、本心は寂しい。男の子、女の子に関わらず、友達は友達だし、ましてや寮の旧友となると兄弟のようなものでもある。

帰郷は映画のフレームの中だけでなく、その旧友に帰郷を見た。それは混沌とした学生時代の記憶であり、風化してもやはり混沌とした学生を絵に描いたような記憶で、これからもできれば保ち続けたい友人関係を再認識したという、わたしの帰郷であった。
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by Haruka_Miki | 2008-01-11 00:00 |

New Year Gala at New National Theater

Today I went to New Year Opera Ballet Gala. Because it was Gala in New Year, the show was set to be rather special, with many audiences wearing Kimono. At the entrance we were all served welcome drink right after the ticket booth. One joy of going to such is indeed to enjoy the atmosphere in addition to the show itself. It is indeed a nice feeling to be well dressed and surrounded by such people. We all enjoy this special time and space at the same time sharing the joy of watching the same art piece.

I wanted to go to the Gala especially for one part of Ballet, Roland Petit's La Chauvre-souris(こうもり). The music by Johann Strauß is breathtakingly beautiful and this is famous more as an Opera than ballet.

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I watched the ballet version by Roland Petit's choreography with Milano Teatro alla Scala on DVD earlier and that was the trigger this time to go to the Gala today. I am a fun of Roland Petit's choreography as his work always has a certain charm that no other choreographer will have. The ballet was indeed full of l'esprit and the use of color was fascinatingly elegant. Certainly, ballet is nothing girlish and it can be as mature as this piece.

I have to confess that in the second half of the Gala, during Opera, I did fall asleep.. It is certainly due to my lack of knowledge on Opera but maybe it was also to do with the atmosphere surrounded during the Opera. Somehow, I felt that the audiences got connected more with dancers in ballet than in the second half of the Gala which comes to my point before that in such Gala, you enjoy not only the piece played by dancers, singers or orchestra but the atmoshpere and the air we experience during the show.
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by Haruka_Miki | 2008-01-06 00:00 | 芸術