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パリ発 五感の穴

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合宿のtake home

学校の合宿でロワール地方に行ってきました。あそこは古城が有名なのですが、基本勉強合宿なので、宿泊先で講義を丸々二日行いつつ、代わりにごはんはゆっくり二時間休んでチーズとワインで話に花を咲かすというスタイルでした。
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(蜂ちゃんと花。藤色、大好きです。)

クラスメートは三十六人おり、今回の合宿で相当仲が良くなりました。インド系アメリカ人の医学生(現在medスクール休学中)、フランス人のお嬢、ギリシャ人でメキシコのNGOで働いていた子、西語ぺらぺらでビジネス畑から来たアメリカ人、都市計画専門の韓国人の人。熱い想いもあるけれど、とりあえず遊びも大切だという輩たちが多く、中でもうち数人は特に馬が合い、議論し通す、笑い通す、遊び倒す、というのを徹底的にできる仲間というのはありがたいものです。特に、音楽の話は文化圏を超えますね。あえて言うならば、カリフォルニアの野外コンサートcoachella系の輩と形容すればいいのでしょうか。そこはかとなく、学部時代の一部友人のノリをデジャヴュのように思い出します。クラスメートの中に仲良しサークルを発掘したことは今回大きな収穫だったのですが、それ以外のそれぞれのクラスメートと一様に親交を深められたことはとても大きかったのでした。

さて、合宿では、知識を詰め込むことはなく、相変わらずディスカッションスタイルで政策決定にまつわる様々なチャレンジを話し合い、合間にそれを象徴するようなゲームを取り混ぜていきました。このゲームが、非常に面白かったので記しておこうと思います。

A)オセロゲーム
①60枚の白黒の石のうち、アットランダムに20個石を取り除く。うち5個をまたランダムに置きなおす。
②この段階から、白黒の石すべてをハッピーにさせるように石を並び替える。石をハッピーにさせるには以下のルールがある。
― すべての石は、自分と異なる色の石よりも自分と同じ色の石とより多く隣り合わなくてはならない。なお、隣通しというのは上下左右、そして斜め横も含む。例:白の上下左右斜め横には、黒の石より白の石が多くなくてはならない。

B)NASA月面サバイバルゲーム
①スペースシャトルのクルーのあなたは、月面のある地点で他のクルーと落ち合うはずだったが、あいにくスペースシャトルが故障し、当初他のクルーと落ち合うはずだった場所から200マイルのところにいる。他のクルーと落ち合うために、次の15個のものを、あなたが大切だと思う順番に1から15としるしをつけなさい
②アイテムとは:酸素、コンパス、食べ物、ロープ、毛布など
③まず自身で重要度ランキングを作り、その次に周辺の数人と重要度ランキングを作り直す

それぞれのゲームの意味合いが大変興味深かったのですが、それはまた次回のポストに譲るとします。
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by Haruka_Miki | 2008-09-28 07:00 |

消費レポート

こちらにきて、いくつかのブランド品を買いました。

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(道端生け花)

とはいっても、どこそこのバッグとかではありません。湯沸かしポットとか、化粧水とか、水を濾過するものとか、鍋とか、お皿とか、運動靴なので、と言い訳しておきます。ヨーロッパにいることのメリットデメリットは、当然ながらアジア、特に日本のものが手に入りにくいことです。なんでもいいから味噌、という大枠ならば入手可能ですが、こだわりを持ち始めると、その辺は諦めざるをえません。でも、その代りに素晴らしいのは、これまた当然ですが、ヨーロッパの食材はもちろん、ヨーロッパ発のメーカー品がとても安価であったりすることです。

というわけで、私の気に入りのメーカーをご紹介しておこうと思います。ちなみに、私は、自身はお金を融通する仕事でおまんまを食べていましたけど、父がものづくりな人間なので、頑張っているメーカーを見るととたんに最大の愛情を注いでしまうことに、今回のブログ記事は由来することをお伝えしておきます。

LeCreusetの鍋
これは、日本にいる時からここ3年ほど買おうか否か迷っていたでした。もともと日本の半値位のようですが、デパートの30パーセントセールで思い切って買いました。ご飯も美味しく炊けますし、ポトフも短時間でできます。個人的に圧力鍋が好きなのですが(早くて簡単だから)、今は手元にありませんし、ルクルーゼにぞっこんです。赤くて重いところがチャーミングで、うっとりしてたら寮の人に怪しい目で見られました。

Bodumのシリアルボール
Bodumは元々好きなメーカーです。シンプルの中に温かみがあり、機能的だからです。彼らの器シリーズには、日本語のタイトルがついたものもあります。私は、2ユーロの子供用シリアルボールを入手したのですが、我が部屋に招かれた人は、あいにくワイングラスがないため、このシリアルボールでワインを飲むことが余儀なくされます。ちなみに、Bodumの赤いマークがまた自身の好みにあっているようです。

Camperの運動靴
様々な国に一緒にいった茶色のヌメ革コンバースがかなりやられてきてしまったので、思い切って新しい相棒に乗り換えることにしました。この街は、ヒールが似合いますが、ヒールが擦り切れるという点で誠に残念な町です。何らかのパーティ(そういうのにそもそも呼ばれる機会があるのか不明)がある場合は、近場で運動靴から履き替えるというのが賢明な気がします。というわけで、コンバースに感謝の意を伝えつつ、ポンピドゥー横のCamperに行ってきました。運動靴だと、日本のメーカーもキュートですが。ベージュのスウェードのやつに、私はウォッシュドのストレートジーンズ+萌黄色のリュックサックという井出達で、6区周辺を走っています。Bodum同様赤と白がモチーフなので、もしかしたらこれが私の心を揺さぶるツートンなのかと今思ってきました。

④Tefalの瞬間湯沸かし器
Tefalは通常、持ち手がとれるフライパンが有名な気もするのですが、これから湯沸かし器をご購入されようと思われている方、ぜひTefalをおすすめします。日本で祖母が持っていて、本気で30秒以内にお湯が沸くので、その時から買うならTefalだと思っていました。ちなみに、私はこの商品に出会うまで、アンチ湯沸かし器(ポット)で、あれは水がまずいし電気を食うし、と思っていましたが、寮ですぐ茶をすすれるというのはすばらしいわけです。アンチ湯沸かし器、取り下げです。

Britaの水の濾過器
Britaは数年使っていますが、こちらでも購入しました。建物が古いためか、何とも水がいまいちなので、これは助かります。ミネラルウォーターとの併用がよいようです。なお、濾過の部分ですが、フォームが変わったようで、今までより大ぶりになりました。白色以外に紺色が新登場し、それはそれでかわいらしいです。

WeledaのRose musquee関連商品
これは、私の親しき方にアレルギー反応が出たということで、その辺は合う合わないがあるかと思いますが、私はここの商品の大ファンです。特にRoseが薫り高く、肌もすこぶる順調です。そして、ヨーロッパではとても安価です。ちなみに、Weledaに限らず、自然化粧品はヨーロッパ(特にドイツ?ドイツ語の商品が多い)ですとバラエティに富んでいる気がします。

以上、消費者としてのこちらでの生活レポートでした。

さて、今週末は、学校のRetreatでロワールに行ってきます。この年になってRetreatをするとは思いませんでした。議論しつつ観光しつつのんべえになりつつという感じになりそうです。
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by Haruka_Miki | 2008-09-24 00:00 | 経済的営み

リスタート

大学院の授業がスタートしたので一度触れておこうと思います。
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(Hotel de Villeのステンドグラスの色どり)

パリは左岸にあるグランゼコールという教育機関で、公共政策のマスターに行きます。公共政策とはいっても、官僚養成という当初の疑念、心配は余所に、より柔軟な視点を養うことを目的に設立されたプログラムだということが分かり、それならばとほっとしたところです。それまでの国家に変わり、市場が世界を支配し、そして今、その独占的な権力は一気に陰りを見せています。その中で、「公共」について考えるというのはどういうことなのか、それは、公―私、政府―企業といった簡単な切り口では物事がもはや解決しえない段階に来ており、どうやら私が参加するプログラムは、公共政策というのを、様々な"Institution"を超えて、考えていこうという、ともすれば空を掴むような、野心的な学びの場になろうとしていることを授業で理解しました。そうであれば、私には最適なのかもしれません。なにしろ、様々な価値観をぶちこわし、脱構築することが一つの目的なのですから。当然、脱構築した後に何ができるか、それは未知数ですが。

こちらにきて数週間、それは麗しいだけのものではありませんでした。パリには三度程来たことがあります。二度は旅行、一度は三週間の語学研修です。しかし、本腰を入れて住むのは初めてですし、学生のときのとりあえず、とは異なる次元で勇んで来たので、気持ちはだいぶ異なります。最初はホームシックになりました。新しいことの連続とはいえ、ある程度は想定できていたこともあり、むしろポジティヴな発見が多く、その中で新たな環境に自身がやっと慣れてきたところです。地理的に離れると、今までお世話になった、大好きな人々が遠くなることは間違いなく、またこうした新天地での環境に慣れること、それ以前に勉強に謀殺されることは目に見えているで多くは語れませんが、とりあえずそうした皆さんの温かい目をありがたく思いつつ、ここにいる間は、できる限りここでの生活に焦点を当てて、眼を見開き、耳をすまし、肌で感じて、心を敏感にできる限りのことを感じていくことが、今の自分にできる最大のことかなと思う限りです。

前置きはさておき。

学校の仲間たちと。本当に様々な国々から人がやってきており、教授陣もそうなので、かなりの多様性と、同時に混沌さも生んでいますが、間違いなくここで仲間たちと熱く、共に喜び、共に苦しんでいくプロセスは、何ものにも変えがたいのではと、思います。ビルマ出身で、少女買春を専門に働いている人、ダルフールで活動するNGOからパリに飛んできた人、国連で気候変動問題に取り組んでいた理系の子、メキシコと米国の国境と不法労働者の人権関係のNGOでボランティアをしつつメーカー勤めをしていた人、韓国で政治活動をしていたけれどパリに来て都市開発の研究をしていた元建築学科の人、モロッコの関税局の人など。私は、公共政策の中でも文化政策に関心があるので、いわゆる開発問題や人権などがこのプログラムの主流になるであろうと考えると、マイノリティではありますが、かえってさまざまな視点に触れることもありがたいと思っています。プログラムでは経済学や統計学等基礎的なところも学ぶ機会があり、それ以外はケーススタディベースの組織論などビジネススクール的な授業がコアクラスになります。いわゆる国際関係とは異なり、何が起こったかについての羅列というよりは、シナリオプラニングを徹底的に考えさせられることになりそうです。
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by Haruka_Miki | 2008-09-22 00:00 | プロフィール

街のイベント

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(お兄さんもみんな日向ぼっこ。パリ市庁舎の横の道は石がでこぼこでこんな感じで楽しい)

こちらに来てから、毎日すこぶる天気がいいです。雲一つない秋晴れで、朝夕は冷え込むけれど、昼間は長そでシャツで一枚でも爽やかなほど。こんなに贅沢にお日様を享受していると、あとで暗い冬が来た際の跳ね返しがありそうだなと思ったり、いや逆に今こそお天道様を楽しまなくてはと思い授業後は駅を遠回りして帰ったりします。

そんなことを言っていたら、9月というのに日焼けしてしまいました。鼻の頭がかさかさしていると思ったら、どうやら日焼けで皮がむけているようなのです。土日と言えば、まだ美術館や観劇等には一度も行かず、もっぱら街を歩き回っているためでしょう。

今週は、様々なイベントがあります。ノートルダム寺院の河川では、南西地方(トゥールーズとかだと思われます)の食品見本市が河沿いで行われていて、ここに指定の紙袋を持っていくと南西地方のフルーツや野菜をぼんぼんと無料でつめてくれる素敵な企画もありました。私は、セニョ―ルに「ニンニクが好きです」とアピールしてみたところ、中でも大きいのを入れてくれました。これで風邪予防にでもします。

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また、今週はPatrimoineヨーロッパ文化遺産の週末で、様々な普段は一般の人がアクセスできない政府の建物や通常は入場料が必要な美術館等が、すべて市民に開放されます。また、私は前日に音楽を聴いてもうお腹いっぱいだったので行きませんでしたが、テクノパレードなるものが左岸では行われていて、今年も大盛況だったようです。行った人曰く、「tear gasと警察がいっぱいで、涙は出るは鼻は痛いわ、2時から7時まで押せや押せやで踊りまくってくたくたになったけど、最高に楽しかったぜ!(こんな口調なんで)」だそうです。ちなみに、フランスのアンダーグラウンドでは、基本ハウス、というかテクノ、トランスのような音楽が多くて、音楽ファンの層が国によってやはりだいぶ違うのであろうなというかんじです。日本の文化政策と、フランスの文化政策は、そもそも政府のスタンスが全く異なるので比較にならないと思いつつも、こちらの文化政策の層の厚さ、日常としての企業のメセナ活動は大変羨ましく思ってしまいます。それ以上に、市民のミュージシャン等が多いこともうらやましい限りで、今日はHotel de ville界隈でピアノを外に持ち出してジャズ演奏がなされていました。お金を払わずとも、この街は沢山のアトラクションで溢れている、というのはやはり本当かもしれません。

学生としては、その後街に繰り出すのであれば、その前の段階でおしゃれバーに行くというのも財政的に厳しいというのが、クラスメートとの総意で、とりあえずワインをどこかで手に入れて、河沿いで飲もう、コルクは鍵でボトルの中に落としてしまえばいい、という発想をしたり、ちゃんとレストランで食べるか、それともギリシャのピタパンで夕飯を済ませてイベントに参加するかと考えたりは、それはそれで楽しかったりします。最も、真剣に授業が始まれば、そんな悠長なことを言っていられなくなるのでしょうが。
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by Haruka_Miki | 2008-09-21 02:44 |

写真 ― 人特集

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大人だけどおちゃめな服。大人だからおちゃめな服。
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ケスキスパス、人が人を呼んでるギャラリー。
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年を召した人が素敵な街は素敵であろう。ちなみに、この日は公園でコンサートが行われてた。レコードの電池が切れてて音源とれず。堪忍。
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サンジェルマンの前はいつも待ち合わせの人がたくさん。夕暮れだ、焼き芋屋こないかな。
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by Haruka_Miki | 2008-09-16 00:00 |

仔牛のハーヴ煮込みの団らん

新しい街にて。家族や大切な友達を想い、とりあえず感傷的になったところに、東京の母から、今日の言葉!のようなメールが送られてくることがあります。昨日は、相田みつをの言葉が極めつけに送られてきて、相当郷愁に駆られました。一人で海外に住む人々はみな偉い、強い。ということを今更ながら実感します。多感期にいつも、いつも家族だけが頼りの生活をしてきたからか、家族の存在は大きいです。

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さて、本当の家族から離れて7000キロ(とかです?)、シャンソン「枯葉」が似合う街にも、私には幸せなことに家族がいます。こちらは、家族というよりはファミーユという感じです。て言い換えただけですね。月曜日に、学生時代に三週間ホームステイしたご家族の夕飯にお招き頂きました。三週間居ただけなのに、そのあとの旅行で、結局ホームステイ先のお母さんの、リヨンのいとこの家→リヨンのお姉さんの田舎の家→トゥールーズのご両親の家→トゥールーズの弟の家、とマダムのご家族の家はなぜかすべて制覇させて頂きました。深謝。

本当は東京は浅草の人形焼き持っていこうと思ったのだけど、このご家庭は私を熱烈歓迎ではあるけれど、決して所謂日本通というわけではなく、その辺がこてこてのフランス文化なご家庭なため、互いの幸せのため、Maison du Chocolatでマカロンを調達しました。結果、私以上にマカロンは大歓迎されていました。あれ、現地のお方は好きですね。マカロンと言えばラドュレだよね、というのがパリジャン・ジェンヌの総意のようですが、チョコレート屋のマカロンもこれは変わっていて、好評のようでした。私はあまり甘党ではなく、たくさんごちそうになりお腹がいっぱいであったし、大家族ではすぐなくなってしまう量のお土産だったため、結局味見仕舞いでしたが。

それまで、肩に力を入れていたのに、こちらのファミーユに会って、ああこれは温かい気持ちになりました。以前やんちゃの盛りだった末っ子娘も、立派な十歳になり、フランス語うまくなったね、とお褒めの言葉を頂戴しました。姫の仏語の宿題は面白いですよ。この分を、主語と述語に分けろ、また品詞に分けろ、とかこういうエクササイズをネイティヴもやるのですね。真ん中の男の子も、相当美男子であり、十四歳の長女は、エスプリに満ち溢れた小悪魔ぶりで、中学校ではさぞかしファンが多いだろう、と勝手に思っていたのでした。ちなみに、フランスの学校はアメリカの学校同様(日本もそうですかね)、宿題が膨大のようです。パパママそろって下の二人につきっきりで二時間かかって宿題してましたよ。親になるって大変なのですね。親の皆様、尊敬します。

このご家庭は、お母さんが基本主婦をされていて、季節労働的にメゾンのコレクションの仕事をされておられるのですが、私はこの母さんが大層好きです。出身地方の弾丸トークは顕在ですが、小柄でショートヘアが本当に愛らしく、女性なりの強さや悩みを抱えておられることを隠しません。

さて、あのご家庭に行くと、家族の単位と、大人グループ、子供グループも単位がはっきりしています。宿題でてんてこまいの隙をねらって、お母さんは私を呼び、二人で食前酒を飲みながらソファで5分座ってみるとか、必ずそういう時間を入れます。そこで、大人の、女の話ができるというわけです。夕飯も子供グループ(下の二人。長女は最近大人グループに昇格)はキッチンについた簡易テーブルでぱぱっと夕飯を済ませ、大人グループはその後サロンでゆっくり話しながら夕飯をするのです。家族の中でも、それぞれのスタンスがはっきりしています。

パリに来て月曜日の夜ほど、久々の再会に心が弾んだ日はありません。やはり人間というのはCollectiveな存在であります。
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by Haruka_Miki | 2008-09-15 00:00

氏の訪問

アメリカに行ったからには、ハンバーガーを食べ、フランスに来たからにはクロックムッシューをオーダーする、というのと同じところで、政治の世界での私のステレオタイプは以下の通りです。

アメリカに行ったからには、胸に手をあててのPledge(宣誓)を空で言えるように覚える("I pledge allegiance to the flag of the United States of America..."というやつ)と同じように、フランスにいて間違いなく最初に目の当たりにする概念は、laïcité(政教分離)ではないかと思ったりしております。先代に宗教によって多くの血が流された共和国の知恵としてのlaïcité、その元ではフランス人は唯一無二の存在であり、北米のように(アメリカとプルラリズムのカナダはまた異なるとしても)エスニックグループの名前を取り入れた○○系アメリカ・カナダ人と同等の呼称/存在は、理論上フランスには存在しないのであります。みんながフランス人。そこにあえてエスニックな類分けはないのです。

さて、先週こちらに来てから、ちょうどいろいろと面白いことが起こっているようでして、上記のステレオタイプが、やはりこの国にとってとても機微な主題なのだと実感した限りです。というのも、今日からローマ法王がパリを訪問されていて、今夜のパリ市街の警察の数やなかなかでした。電車の駅によっては、電車を通過させてしまう(例えば、金曜日の夜は、ノートルダム寺院近くのサンミシェル駅を緊急に通過)徹底ぶりです。

さて、今回物議を醸しているのが、法王がただお忍びで、ないし教会に直々に赴いて政治と関係ないところでミサを設けたならばともかく、到着して直ぐ大統領と会われたとなれば、政教分離の国ではやはりかなりの議論になっています。

深い議論は専門家に譲るとして、このコミュニティの新たな構成員としての印象を申し上げると、金曜日の夜は、あちこちに土曜日のミサに備えたカトリック教徒の皆さんが紙で作った灯を片手に、街を練り歩いて法王を歓迎しているように見えました。それは、うむ、いわゆるlaïqueな国では不思議な光景であったと言わずにはいられません。

はて、政教分離を共和国の基礎とするこの国において、今回の訪問をどのように説明つけるか、大統領はlaïcité positiveという概念をどうやら持ち出しておられるですが、私には、言葉の問題だけでなく、概念としてもとんとよう分からなかったので、新聞Le Mondeの社説に、ジョスパン前仏首相の顧問の方のが載っていたので、これを一つの参考としてみます。これによると、国家が政教分離と宣言するには、まず、アプリオリに宗教の対話をすることに対して肯定的な印象を与えなくてはないし、国家は宗教的でも非宗教的でもなく、無宗教なのであり、政教分離のダイアローグ自体は肯定的でも否定的でもなく、そうした対話自体は敬意が払われて然るべき、とのような話が出ておりました(注:まだまだ私の語学力は怪しいので、心配な方はご自身で確認求む)。

どこか、自国の政教分離議論を見ているデジャヴュ感もあるのですが、当然各文化、各国特有の背景があるわけですし、フランスにおいては、やはりローマカトリック以外の宗教との兼ね合いというのがとても大きいところであろうかと思われます。それは、ユダヤ教であり、イスラム教であり、特にここ数年でヴェール問題などがメディアで取り上げられ、それが少しおさまったかと思ったこのタイミングでとなると、第三者としてもふむ?と思うのですから、ローカルにとってはかなり機微でありましょう。

と思えば、先日は、フランスにダライ・ラマ氏がいらしてたようですし、この間からイスラームではラマダーンが始まり、今週末は、ラマダーンを祝うイベントも市内で目白押しのようで、無料コンサートが行われるという広告が出ているようですから、そういうのを見ると、必ずしもキリスト教だけがlaïcité positiveでないのかもしれないと思いもしますが、それ以前に、そもそもlaïcitéの概念が、いわゆる日本語で言う「政教分離」以上の、フランス的な理論だと思うと、やはりこのlaïcitéの理論のエッセンスと乖離したところで話がなされているような印象も受けたりします。

laïcité positiveが日本で言う政教分離とどこが違うのか、もしくは元来の共和国のlaïcité原理を踏襲したものなのでしょうか。そうであるのだけれど、laïcitéの理論的効用は十分理解した上で、共和国民が、実は声高に言わないけれど、この概念にやはりどうしてもどこか無理があることを皆うすうす感じていて、大統領が言うlaïcité positiveはども胡散臭いと思いつつも、無理を何となく感じているからこそ、心のどこかでそれもありかな、と思っているのか、その辺はローカルの心の内を知らずして、何とも言えないところであります。
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by Haruka_Miki | 2008-09-13 00:00 |

今日会う三人の人

FacebookというSNSで、友人とのコミュニケーション以外に楽しみにしているものの一つに、その中にある毎日の占いがある。占いの内容は、総合運がいくら、恋愛運がいくら、金運がいくら、仕事運がいくら、といった類のものではなく、もう少し大まかでおよそフォーチュンクッキーの中のメッセージめいている。この占いを楽しみにしているのだが、この占いときたら、どうもどこか自分を見す越したような物言いで、案外それにはまっているというわけである。

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(サンジェルマンの傘屋さん。日本の骨数が多い傘も結構うけると思うんだけど)

中でも、昨日の占いは面白くって、「今日会った三人のうち一人が、あなたが生涯影響を受け続ける人です」と言う。実は、今日初めて話した人という意味では、数人の人と話したので、三人という絞り込みをいかにするかはよくわからない。

それが、①地下鉄の係の人(定期券Carte Orangeを買いたい、いやそれはもはや存在しないのでNavigoというのを買わねばならないの問答をした人)、②二人目の地下鉄の係の人(Navigoを作りたいのだけど、いやここの居住者を証明できなくちゃだめ、でもあたくし居住証明書を持ってます、なら作ってしんぜよう、のやり取りをした人)、③寮の掃除のおばちゃん(掃除機をかけるのは火曜日と金曜日、シーツの交換は水曜日、あなたの階は私がやるからね、私も思わず了解、のおばちゃん)、④昔のホームステイ先のマダムに電話(あら、久し振り、娘からあなたがこっちに来ること聞いたわ、一度うちにご飯食べにきなさい、それにしてもこの電話音が悪いわね、すみません、それは私がお金をけちってコンピュータから電話しているからです、そうなんだかよくわからないけど聞こえないから、こっちから電話するわ、電話番号言いなさい、のマダム)、などの軽い会話を含めて数人を話したので、どの人というのはよくわからない。けれど、昨日初めて出会い、その中で身の上話まで及んだ人といえば、三人の日本人と出会ったのであり、もしかしたらそのうちの誰かかもしれない。

ここで詳細を挙げるのはやめるとしても、事実彼らはなかなか面白い個人であった。大きな黒ぶち眼鏡が似合い、パンツの左に金色のチェーンを光らせる(懐中時計かもしれぬ)人だとか、その他、身の上話をした人三人はそれぞれ一見普通だが興味深そうな面々であった。そもそもの話として、この時世に自らフランス行きを頼もうというのは、それぞれの事情があるとしても、よくありそうでそうは言ってもそこまで誰もがすることではないらしく、だからこそ、いやそういう自負に似た勘違いがあるからこそ、彼らに何か際立った物珍しさがあったのかもしれぬ。

実は、まだ、というか当然の如く、新境地で深い友ができたわけではなく、だからこそ全身緊張しているのであるが、そんなときにこういう占いは、なんとなくそんなかちこちの自分をほぐしてくれる。この人かな、違うかな、と考えること自体、自分がいかに世俗的かを示すのだけれど。パソコンの無機質な占いに影響を受けてみるというのも一つの現状の楽しみ方であり、こうしたわたくしを、窓から遠くに見えるパンテオンとモンマルトルのサクラクール寺院はどこか可笑しいと笑っているようでもある。
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by Haruka_Miki | 2008-09-10 00:00 |

Bonjour パリ

12時間弱のエールフランスの移動を経て、パリに到着しました。ここでこれから約2年間生活し、学生という身に立ち戻ることになります。東京におきましては、沢山の皆さんに沢山の愛と沢山の力添えとたくさんのパワーをいただきましたこと、遅ればせながらここでお礼申し上げます。私という人間は、いつも与えられてばかりで、皆さんにちっともその恩返しをしていない様な気がして心配なのですが。いつか必ずや。そして!場所は変われど!これからも宜しくお願いします。

さて、前置きはさておき、パリの街はなぜこれほどまでにパリなのでしょうか。映画と同様の空気感かはともかく、そこにはある一定の空気が常にあります。以前と異なることは、前回までは空港バスで通常は凱旋門まで行っていたのですが、今回は滞在先がより近いモンパルナスに行ったこと、その関係でパリ市内へのアプローチが、向って左側から右側になり、今までの風景と多少異なるアプローチとなったこと、また通常だとプジョーかどこかの古めのタクシーをおやじさんが運転していて、ラジオは数年前と同じシャンソンだったのが、今回はベルベル系のムッシューが運転するBWMのタクシーで、ラジオは大層素敵なジャズだったくらいでしょうか。

到着の日の雨空から一転、昨日は突き抜けるような秋空でした。行き交う人々を横目に、私は銀行口座開設に走ったり、230V対応のコンピュータのアダプターを探したり、鍋やコーンフレークやヨーグルトやエスプレッソコーヒーやいんげんやトマトや立派なニンニクを両手に寮へ。街を見る前に、生活を少しでも立ち上げたいのであります。ここにきて欲しいもの、それは菜箸、エコバッグ(こっちで調達してもいいけれどなんとなくもったいない)、ざる(そう、竹のやつ)とかでしょうか。中華街に行くと、焼きそばや醤油が手に入るらしいですが、慣れたら少しは赤カブなどの食材を使ってフランス家庭料理をしたいところ。いつになるかしら。

いずれにせよ、初めてこちらで長く暮らすためには、私はラッキーなことに寮に入ることができました。これがラッキーか否かは後ほど解明するでしょうが、とりあえず一日目から、家探しをすることも、光熱費の心配をすることも、電気がきれた場合の用務員さんを呼ぶことを考えることもなく、つまり通常のパリジェンヌが通る面倒くささを通ることなく、生活を立ち上げることができます。大学都市と呼ばれるこの地は、14区のペリフェリーク(パリ市内ぎりぎり)にあり、市内からは電車ですぐとはいえ、一種独特の学生寮街の様相を呈しています。文学の研究者などと話す機会もあり、これは面白そうです。同時に、ある段階で、この守られた場所を出ていく勇気と負けん気も必要になるのではと思っています。

いずれにせよ、戸惑いながらも元気です。昨日は、大学に向かうため、最寄のサンジェルマンデプレで降りましたが、町並みは素通りでした。少しずつ余裕を持ちたいものです。可愛いカフェオレボールを探しつつ、少しはツーリストも嬉しいエリアに出てみましょう。
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by Haruka_Miki | 2008-09-08 00:00 |

引っ越し作法

海外暮らしをする前に、部屋の掃除をし、整理整頓をし、何を持っていくかを考え、買出しの必要性が出てくる。基本的に、ものは少なく生きたい方ではあるが、やはり諸々持っていきたいものも出てくる。これは、ある程度の必要性に依るところがあるし、同時に、自分がそうはいっても物欲を抱えていて、色気を出してしまうことがあるかもしれない。この黄緑のセーターは本当に必要なのか、この茶色いバッグは、この登山靴は?このベレー帽は?このオレンジと黒いエナメルのフラットシューズは?化粧品は?お土産は?必要なものが分かった後は、その優先順位。赤い花のコサージュなんて最初からつけるの?ジャケットは着るのか?

荷物の多くは、洋服であり、靴であり、そうした身につけるものであるが、やはり夏が短い場所に赴く際に、多少の荷物のかさばりはやむを得ないのであろう。いずれにせよ、少ない荷物で引っ越しをすれば、また次に移動する場合も容易であるのだから、少なめの荷造りをする。結局、飛行機の限度を先に考え、預け荷物20キロ、キャリーオンの手荷物12キロ、それ以外に国際小包のSAL便一箱と、船便一箱で済ませることにした。

おそらく、厳選といったほどではないので、もう少し荷物を減らすことも可能であろうが、とりあえずは引っ越しをすると何が必要かの整理整頓になってすこぶる疲れるが、その対価は大きいなと思う。

さしあたり、自分なりに厳選したものとして、新しいパソコン(DellのVostro1310をカスタマイズして、Core2Duo、メモリ2GB、HDD320GB、Windows XP)、雷神堂のお煎餅(二度づけ煎餅含む)、錦松梅、抹茶と緑茶、抹茶用お道具一式、お香、めんつゆ、カレールー、蕎麦、ゆずこしょう、花山椒、鰹節、昆布、切干大根、浅漬けの素、海苔、おかき、落雁、タイツ、ストッキング、コンタクトレンズ、馬油、和菓子、特に繰り返して読んでいる愛読書数冊、大切な靴。それと、時間があれば、越後屋若狭や一幸庵に足を運びたいな。
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by Haruka_Miki | 2008-09-02 00:00 |