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パリ発 五感の穴

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中国研修後

ご無沙汰しています。東京を後にして、学校の研修で中国にいました。上海→西安→北京と二週間で駆け足。このブログも当局の規制でアクセスできなかったので、長らく時が経ってしまいました。研修ということで、学校での講義大半、観光もそれなりにというものでしたが、とても楽しい旅でした。

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私にとっては初めてのメインランドチャイナ。今まで近くて遠かった国です。北京オリンピックを終え、2010年に上海での万博を控え、また世界経済の波を受け、それ以外に内なる辺境でのあれこれ。急激なモダニゼーションと都市と地方格差。中国共産党のエリート育成学校の先生の話、地方官僚、人類学者などの話はそのダイナミズムと、この国が抱える矛盾のようなものに少し触れさせてくれてとても興味深かったのでした。

個人的に私は私ですが、そこに国籍という問題が関わる場面にも数回出くわしました。特に他の国籍の学生と旅をしていると、その差が歴然としている場面もあったのですが、好きであろうとなかろうと、それはそれで一つ私という人間に、どこまでいっても、一つのベクトルに出身国という物差しがあるということです。そして、そのことを再認識し、しかしそこに留まらぬやはりアジアの民としての通ずるものを多く発見しました。

中国初心者として、見えるもの見えぬものは多く、ここで述べることは所詮、その文化の言葉を話さない中で可能な限り集めた限りある情報を元にした主観的な意見でしかありません。なので大それたことは一つも言えぬと記しつつ、分からぬ者として感じたことも多々あったと思います。

誤解を恐れず感想を言えるのだとすれば、この国は多くの矛盾を抱えた国という印象を受けました。しかし、矛盾がネガティブなものと理解することこそ偏った見方で、私にはこの矛盾こそ、この国最大の魅力に映りました。長い文明の歴史の記憶が人の髄まで浸透し、その反面封じ込めるような劇的な政治転換。規模がものを言う都市計画と小さな路地。外を侵略することはないけれど、中なるセパレティズムには強硬な対応を取る帝国の側面。ODAの受け手でありつつ、アフリカへのドナーでもある国。金銭的なアフリカへの繋がりだけでなく、人材面での育成も盛んで、清華大学を始めとするトップ校にアフリカ出身の学生を招へいしての特別の大学院コース。外のメディアでは、メディアの当局の規制が激しいのだと勝手に思っていたのだけれど、どちらかといえば、規制という見えざるレッドラインを踏まないように、自己規制の幅が案外広いのではという発見。

特に東京において、私には多くの親しい中国人のお友達がいます。その友達と話してみたいことを沢山垣間見ました。

一つ感じたこと。ああ、私はアジアの民です。全く違う、けれど沢山共通点を持つこの地をいつかまた訪れてみたいと思うのでした。摩擦があればあるこそ、そう思うのです。
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by Haruka_Miki | 2009-02-22 00:00 |

郷に帰ることと、知らぬ地を旅することの違い

東京にしばし戻ってきました。前半はとかく家族との時間を楽しみ、後半は海外からのお客さんを迎えてです。

この地を離れてほんの少しですけれど、慣れた場所での生活というのは、それが自身が育った文化だからかは定かではないのですが、いつもすんなり溶け込める部分が多いです。でも、恐らくこれで今住む地に戻った際には、それはそれで割合と日常にすっと入りこむことに時間は要さないのでしょう。

これは、どうやら私の性格もありますけれど、今現在とても守られた立場で海外に住まうことも大いにあるでしょうし、それを支えてくれたり激励し合える大切な人々がいることがあるでしょうし、そう考えると、あの街でもこの街でも、いとも簡単に生活できるというのは、ある程度本当であり、とはいえある部分では、そうした守られた環境だからこそ、そういう悠長さがあるのだという現状に、気づいていないだけなのかもしれません。

今回郷に戻ってきてふとした瞬間に感じたことは、当然ながら私が学生として様々な気づきをしているそのまさにその時に、この地の大切な人々の生活、仕事、プライベートは当然ながら現在進行形なわけです。プライベートのことですと、仲がよいお友達のことはもはや身体的に隣にいるかのように日々アップデートするわけですが、実は仕事をしている友達の横顔ほど、遠い姿になっていることは、紛れもない事実かと思われます。

今の地でも、社会人の方々は周りにたくさんいますので、これは東京にいる、海外にいるという話だけでなく、自身が一度仕事から遠のいたことで鋭さを得た部分、同時に鈍くなった部分を、今回の帰国で切に感じたと言えばよいのでしょうか。そのことは、特に海外にいると、それ以外の緊張もあり当たり前のようですっかり考えず仕舞いでした。パリでの生活にだいぶ慣れてきたからこそ、このことに気づいたことはとても大きいですし、今後の日々の送り方にしても、今一度こうした機会を得た幸運を真に感謝しつつ日々を最大限有意義に重ねていかねばと心新たにしたところです。
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by Haruka_Miki | 2009-02-01 00:00 |