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パリ発 五感の穴

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恋におちて

嗜好品の厄介なところは、美味しいものを食べると、自分の期待値もぐんと増すというものです。

日本という、主食がパンでないのに、本当においしいパンを作る(と思います。特に最近)国から、フランスというパンの王国にやってきて、その後のロンドン。これは、甘やかされた私の舌には、聞いてはいたけれど苦行でありました。スーパーで買う100円程のライ麦イギリスパン。初めて、パンを一口かじって処分してしまいました。お百姓さんごめんなさい。それからは、パリに帰る機会がある度に、パンを調達する日々です。もちろん、ロンドンも素敵なものはたくさんあって、例えば、パリでは3パックで3ユーロもする納豆が、4パックで1ポンド程、パリでこれっぽっちで8ユーロする牛蒡が、ロンドンでは太いしっかりした牛蒡で1.5ポンド。なので、ロンドンの面目のために、この幻滅はとりあえずはパンだけの話にしておきたいと思います。

そんな甘ちゃんになった私が、今日、この、ロンドンで、本当においしいパンに出会いました。パンだけでなく、すべてが美味しそう。お店自体に恋に落ちました。

ラッセルスクエアーから7,8分程のところに、最近巷でオシャレストリートの名を確立しつつあるLamb's Conduit Streetという通りがあります。オシャレといえば、Notting Hillでしょうとだけ思うなかれ。なかなか美味しそうなレストランや、ざっくりした洋服のお店、テーマ別本屋さんなども並びます。私は、今までは、Conduitと聞くと、あの証券化のVehicle(Special Purpose Entity)の''Conduit''(導管体)ばかり思い浮かんでしまい(SPEの利益に法人税が課税された場合、法人税を控除した残りの利益を投資家が配当として受け取る)、なんちゅうすっかり職業病。そんな訳で、この通りに関心を抱きながら、ずっと敬遠しておりました。今日近くに行く用があり、歩いてみたところ、とても素敵な通りだったのでした。

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なかでも、おすすめがKennardsという地産(アジアなどのスパイスも置いてますが)無農薬・有機栽培をモットーとするお店です。ソーセージも、鶏肉もとにかく新鮮でとっても美味しそう。保存料が入っていないので持ちが悪いのが玉に傷。逆に、いつもスーパーで調達するやけに持ちがいい食材は、それだけ保存料が入っているのかと思うと少し考えさせられます。お魚もよく入荷するようです。

パンもいくつか置いてあり、中でも目を引いたのがオリーブのパン。ぱっと見ても、これはどう見ても美味しそう。思わずこのパンと、無農薬の豆乳を買って家に帰ってきました。結果は、もうばっちりでした。これならば、パリの行列パン屋にも引けを取りません。ハロッズのパンコーナーでもここまで感動しなかったので、感動も二倍です。

パリ同様、ロンドンでも、ボヘミアン・ブルジョア的食材店は大いに流行の予感です。
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by Haruka_Miki | 2010-01-30 00:00 | 経済的営み

音、楽!

年末に、恒例のくるみ割り人形バレーを観て以来、これといった文化的な活動をしていないなぁと思ったら、思いがけず小野リサさんのボサノヴァソワレà Parisにお誘い頂き、行ってきました。日本人にとって、近くて遠い国の一つに、ブラジルがあるのではと思うのですが、いいものですね。音楽はもちろん、ポルトガル語への興味が一段と増しました。スペイン語の方がきっと、フランス語の後はやりやすいんでしょうけど、どうもフランス語にしても、ポルトガル語にしても、ああいう鼻母音に魅了されがちです。

f0079502_431504.jpg高校生の頃、アントニオ・カルロス・ジョビンの、ザ・ボサノヴァというCDが大好きで、小野さんのコンサートも、そういったスタンダードナンバーで始まりました。ヘビーロテーションで聴いていた時期があったので、とても懐かしいです。ブラジル人の良き友人に言わせると、今の若い世代の人はボサノヴァをあまり聴かないんだそうですね。その代りにこういう音楽よ!というのを聴かせてもらうと、なんていうか、ボサノヴァの進化系かつよりポップにした音楽でありました。こういう音楽の不思議なところは、全然異なる地域の唄なのに、どこか郷愁を誘うところです。温かさがあります。と、それは理想形であるけれど、たまに異文化コミュニケーションに負けてしまうこともあります。昨年の夏は、スイス・モントレーのジャズフェスティバルに足を運んだ際、ブラジルボートというものに乗り込んだところ、サンバをB-BOYにしたような音楽で(どんな音楽だ)、皆様かなり露出の高い恰好で踊り狂ってらして、完全にワタシは出だしでくじけたのを思い出しました。

戻って、小野リサさんですが、最後にアンコールで、ふるさとを歌われてました。これが、在仏日本人たちの琴線には相当触れた模様で、私はもちろん、右に座った連れも、左に座った友人たちも、思わず涙していました。

最近思うのは、人にはそれぞれ心地よいと思える音楽があるわけで、私の場合のそれは、俄然、ピアノ、ウッドベース、クラシックギター。ボーカルの場合も、何となく脱力系というか、ハミング系というか。もしくは、電子音でも、とかくしゃかりきでないのがいいのだということに気付きました。(例・はっぴぃえんど、井上陽水、UA、BEGIN、コーネリアス、Club Asiaでお馴染みの久保田真琴、ジャズピアニストの穐吉敏子、Feist、Chet Baker、サイモン&ガーファンクル 、一時期前のSonic Youth・AIRなど。)

f0079502_4321252.jpg先日、初めてロンドンでカラオケに行ってみたのですが、その際も、尾崎豊だ、いしだあゆみだと、古き良きメドレーが目白押しで同胞一同盛り上がりました。韓国系定食屋さんの地下にあるカラオケということで、日本の歌は相当限られていたのですけれど、あれでもっと昭和の名曲がそろっていたら、間違いなくテレサテンだ、狩人だ、イルカだ、レベッカだ、松田聖子だ、山口百恵だ、小坂明子だ、寺尾聡だ、小林明子だ、ジュディ・オングだ、オフコースだ、荒井由美だ、布施明だ、久保田早紀だ、太田裕美だ、チューリップだ。うーん、楽しいですね。この感覚はなぜかしら。多分、海外に出てから、毎年恒例の家族忘年カラオケができなくなったからだと思われます。笑
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by Haruka_Miki | 2010-01-22 00:00 | 五感

La vie continue comme ça

パンダの切手が貼られた、一通の手紙を受け取りました。Par avionにU.K.ではなく、Grande Bretagneとあり、差出人は、2004年にホームステイで2週間お世話になったお宅のお母さんからです。クリスマスカードの返事だろうと思って、開かずにまずは夕飯の支度を。夕飯の後封を開けてみたところ、悲しいニュースが書いてありました。十数年連れ添った旦那さんとこの度離婚の手続きに入り、1月末に三人の子供を連れて、パリの同じ区内にある他のアパルトマンに移るとのこと。

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(記事と関係ありませんが、以前行ったブリュッセルの道角です)

彼女はとてもよくしてくれて、一度ホームステイをしただけなのに、それからもパリを訪れた時は家に泊まらせてくれたり、パリに移ってからも、子供たちに会いに来て、と夕飯に呼んでくれたり、よくしてくれました。中学生の長女が日本文化に関心があるとのことで、日本語を教えていた時期もありました。日本人を受け入れつつ、完全なるフランス人の彼らは、ある意味で私にとって、フランスの家族はなんたるか、フランスの男女はなんたるか、フランスの子供はどう教育されるか、別荘に連れて行ってもらって、日曜日に一緒にチキンを丸ごと食べたりと、活きたフランス辞典でした。お母さんが田舎の人で、お父さんが生粋のパリジャンだったので、フランスのパリと地方の関係性について考えたりもしました。

数年前から、少し関係が難しいことは聞いていましたが、年ごろの三人の子供たちを考えると、いてもたってもいられない気持ちになりました。両親が仲が悪いよりも、別れた方がいいという考えかたもあると思うし、なにより3組に2組は離婚しているパリのこと、これは特段特別なことではないのです。けれど、統計が、実際に知っている女性や、子供たちの身に降りかかるとき、複雑な気持ちにならざるをえないのでした。

男と女だから、結婚したが最後、ずっと仲良くというのは当たり前ではないのでしょう。カップルが幸せに暮らせることを、当たり前と思わないこと、おごらないこと、相手を尊重すること、子供を愛すること。このカップルはそういう結果になってしまったけれど、子供たちの傷が、お互いの大人の傷が、どうにか最小限で済むように、陰ながら願わずにはいられません。

現在、日仏の映画、「ユキと二ナ」が公開されています。日本でも、恵比寿のガーデンシネマでやっている模様。タイムリーなので、私も観てみたいなと思っています。
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by Haruka_Miki | 2010-01-16 00:00 |

英仏メディア

今日は最近お気に入りのものも含め、メディアについて少し記してみようと思います。海外にいて、ないし、寮生活という生活スタイルに起因して少し変わるもの、それはメディアへの触れかたでしょうか。

テレビがないロンドンでは、France interを聞いてみる・BBCのラジオ(4チャンネルの国内政治で、朝から政治家たちへ、ぐいぐいBBCの切り込んでいくところが、とても面白いです。)などもあるんですが、最近は、一日全体では、ラジオでクラシックをよく聞き流すのですことが多い気がします。Radio classiqueというサイトから、いつでもどこでもラジオが聴けます。というわけで、引き続き「ながらラジオ」が大好きです。今はオンラインで、ラジオ寄席なども聞ける便利な世の中なのでありがたいですね。NHKの15分ラジオニュースを必ず聞いていたのですが、最近パソコンの調子が悪いからか、聞けなくなってしまい、ANNの動画ニュースに切り替えてみました。それから、テレビ東京のビジネスサテライトも、番組の一部はウェブサイト上で見ています。

そこまでアンチテレビというわけでもないので、テレビもあるならば観てみています。フランスでのとびきりお気に入り?は、2チャンネルでやっている「テレマタン」という朝のニュース番組です。朝から完全フレンチエスプリで飛ばしていて、メインキャスターのウィリアムがとても意地悪(というか、これぞフレンチエスプリ?他のコーナーを担当する担当者たちの話に関心がある時とそうでない時の差が半端ではありません)。

例として、エストニアでの動物の大会を紹介する話しでは、(ウィリアム)「その大会どこでやってるの?」、(担当キャスター)「エストニアです。」、(ウィリアム)「そんなところ、行かないな」とPolitically incorrectな発言は日常茶飯事です。また、さすが小さい頃から両親たちに厳しく切り込まれて育っている国民だからか(ステレオタイプです)、脇役たち(というか担当キャスターたち)もキャラが際立っています。たとえば、朝から飛ばし過ぎているので、たわいもないおしゃべりの仏語は依然分からないこともあるのですが、全体的にフランスのおはよう日本?ズームイン?目覚ましテレビ?はやっぱり違います。
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by Haruka_Miki | 2010-01-15 00:00 | エチュード

東京・ロンドン・パリ

ご無沙汰しています。新年、学校も再開し一週間が経ちました。今週中に締切だった二本のレポートを提出し、ゆったり読書に時間が割ける週末になりそうです。前期と比べて授業のコマ数が少ない代わりに、今学期はグループプロジェクトのプレゼンと論文提出が春までにあり、初夏に最終試験があるので、今のうちにできることはやっておければなと思っています。

短いものでしたが、冬休みを利用して、東京にとんぼ帰りしていました。あいにく、クリスマスだ、お正月だと、お会いしたかった皆さんにそもそも連絡ができたというほどでもなく、外出はたいがいにして、家族との団らんを楽しみました。離れていると特に感じるのは、家族のありがたさであり、久し振りに祖母も誘って、自動車におにぎりやお煎餅を積んで、温泉に行くのも楽しい師走でした。温泉では、温泉→ご飯→歌番組を家族で観る、とある意味温泉以外は家でもできることなんではないかと思ったりもしないのですが、こういう当たり前が、海外にいると嬉しいです。ま、海外でなくても、家族から離れて暮らしている皆さん共通ですかね。帰りは、箱根でお蕎麦と言えばここ!というお店で年越し蕎麦を食し、箱根でお饅頭と言えばここ!というお店でお饅頭を買占め、心なしか頬がふっくらして自宅に向かったのでした。

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(ロンドンは日曜の花市が有名な通りにある骨董品屋さん。日曜日だけ自家製のスコーンとお茶が頂けます。)

こう考えると、つくづく、自分が独立独歩の人間ではないことを実感します。傍目には、とてもしっかりした印象をあわよくば与えるのかもしれませんけど、結局は私は永遠に両親にとって娘であり、祖母たち・両親・妹含め、多くを共有し、教えを乞い、時に互いを助ける存在であるのだと思います。とはいえ、一応は曲がりなりにも年齢としても、培ってきた経験としても、それなりに自身の行動に自信と責任を持って生きる年になりました。独立独歩は目指せそうにありませんが、家族と、パートナーと、独立共歩を目標に2010年も精進していきたいと思います。

と真面目くさったところは置いておいて、今年のヨーロッパは大変雪深いです。ロンドンはあいにくのどんより空。寒さでユーロスターの運行が大幅に乱れています。寒い地方での海底トンネルの落とし穴、なのかしら。パリに至っては二日に一度は雪が舞っているほどです。寒いとエネルギーを消耗するようで、外出すると隣の美味しいパン屋のケーキに目が釘付け。ちゃっかりケーキを買いつつ、家でお茶が嬉しいです。

空模様と比例して経済もまだまだエンジンがかからないのか、通常パリのセール(Solde)時期はフランス政府の指導に基づくもので、正式日程は一か月前に決まるのですが、今年は例年、少なくとも昨年よりは早い印象です。東京でも、クリスマス前にセールが始まっているお店を見受けました。

私も、寒さ対策に引き続き、ホッカイロ・手袋・帽子・ブーツが手放せません。大学生の頃から着ていた、気に入りの丸襟の黒いコートがだいぶくたびれてきたので、私もセールでは、奮発してカシミヤのこげ茶のコートを購入しました。黒いコートはウールとカシミヤの混合だったので、どうしても長年着た結果、毛玉が出てきてしまったのです。

その他、どうしても風邪を引きたくないので、ロンドンでも気にせずマスクを着用して、手袋を外さない徹底ぶり。この井出達は、東京では通常に受け入れて頂けるものでしょうが、こちらでは怪しいようで、先日も英国紳士にチューブの中でまじまじと見られてしまいました。私は図太いので、紳士に怪しがられても、風邪を引かないようにこの井出達を続けまーす。
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by Haruka_Miki | 2010-01-12 00:00 |