ブログトップ

パリ発 五感の穴

fivesense.exblog.jp

<   2010年 02月 ( 4 )   > この月の画像一覧

遠いブラジルに想いを馳せる

最近あまりにも芸術作品に遠い生活をしていて少し悲しいのですが、その代り天気がいい日は外歩きを積極的にしています。パリは小さい、と思っていたんですが、ロンドンも大きくはない、というわけで、できるかぎり徒歩で移動するようにしています。天気が悪い街での、ささやかな贅沢かもしれません。そう考えると、東京というのは、本当によくできた街だと思います!夏は暑いと思うのですが、やっぱりお天道様の恵は大きいのです。そんなわけで、晴れた休日に自らキュレーションの世界に浸かるためにインドアにいるのもさびしいというところが、あったりしそうです。

さて、ブラジルのFavelaについて学んでいる際に、出くわしたProject Morrinho。とても面白いのでこちらで記したいと思います。
f0079502_1934317.jpg


 (パリにも来たみたい!)

芸術を創ろうと思ったところからでない、日常をただ描こうとした芸術。スラムに生まれる芸術。私は知らなかったのですが、2007年のベネツィアビエンナーレでも招待された作品だとか。私、こういう作家さんに大変惹かれる傾向があります。日々の喜怒哀楽を作品にする、そのことに人々が様々な感情を抱く、私が芸術に触れ、心を動かされるのはこういう日常の連続性を誰かのレンズで見ることができるからなんだとつくづく思います。

いつかこういう作家さんのお手伝いができたらな、と思います。
[PR]
by Haruka_Miki | 2010-02-24 00:00 | 芸術

動き

f0079502_724654.jpg
色々なことが動く時は、動くものなんだということを、改めて実感しています。ここ一週間程で、幾つかの興味深いイベントに参加したのと、自身・周りの友人数人を巡る生活にプロフェッショナルのコンテクストで・プライベートの生活で変化があったと直接聞いたり、人づてに聞いたり、色々です。

私自身はといえば、昨年末に、交際していた相手と婚約をしました。なぜパリで、なぜこのタイミングで、と結局は縁というのは人の選択の積み重ねと、偶然が重なりあったところに存在するのでしょうが、支え合う存在ができたというのはとても嬉しく、こそばゆい気持ちになります。そんなわけでまずはパリに居を構えることになるのでしょうが、一定の文化を共有し、この街を愛する者同士の連れ合いということで、異国に住まう良さと安心感に揺られるのはとても心地よいバランスのように思えます。

時期を同じくして、姉の様に慕っていた大学時代の先輩であり友人が、人生の連れ合いを見つけたのだと連絡してくれました。しかも、相手と会ったのがイタリア。これから二人で、彼女の故郷に帰るのだそうです。彼女らしい、やさしさとゆるやかさが流れるメッセージでした。

祖母がよく言うことに、限りある命、人生は命のリレー、順番だからね、というのがあるのですが、図らずして私自身もまた、その営みの中に存在していることを再認識します。そうすると、連れ添うことの意味合いがより長い連続性の中にも感じられるし、それ自体がとても素敵なリレーの様にも思えるのです。

今日ちょうど私の大好きな先生が久々に授業にカムバックを果たしたのですが、セッションの内容は「家族」が社会資本に及ぼす影響を様々な視点で論じるというものでした。興味深いのは、彼自身が、私から見たら社会主義者的論調を好む様に思えてならないのですが、必ずしも家族=助け合いと思いやりが重なりあう存在、という見方ではなく、そこに見え隠れする近年の家庭内暴力を代表する、家族の脆さ、危うさが一つのテーマになっていたのでした。

そうしたシニカルかつまことに現実的な視点を一つとしても、やはり私は家族というものに温かさと、暖かさを感じずにいられませんし、それが互いを経済的に支援し合うという、より合理的な理屈によるものに依拠して存在していたのだとしても、そこにある種のユートピアを求めてしまう、と言っても過言ではないと思います。

私は、一つ、「まちづくり」というのに関心があるのですが、先日、とあるインタビューで、あなたが例えばインドのスラム街の家に執着する理由は何かしら、と問われた時に、さっと脳裏をかけめぐったのは、幼い時代のHouseであり、Homeの匂いや陽の光の入り方、家の外の郊外独特の落ち着きの中の雑踏でした。

私の中にも依然としてエゴというものが存在しますし、これがなくなるのは、祖母の年齢まで、様々な経験をした時位なのだろうと思います。家族に守られ、家族を育むこと自体がエゴの昇華にも、エゴの放棄にもなり得ないのでしょう。今、私がしている経験自体も、究極的には大きな自己実現のようにも思えますし、いやしかし、そのような言葉で言い表せない、ゆったりした、やさしい気持ちになれるのです。
[PR]
by Haruka_Miki | 2010-02-17 06:56

地元で歩む

大好きな学校の友達・先輩が、この度地元・広島で起業することになったようです。

宙遊び
http://www.soraasobi.com

米国公認会計士を持っていて、トランスファープライシングの仕事からベンチャーに移り、今に至る彼女。数年前から、休みを使ってはインドにヨーガ修行に行ったり、アグリツーリズムに勤しんだり、身体にいいこと、地球にいいこと、に素直に直球で向かってきた彼女から、いつも刺激をもらっています。新宿・どん底でウィスキー飲みながら、あーでもない、こーでもない語りました。さっぱりしていて一図で情にもろい、私から見たら、まさに理想の女性です!

また一人、学生時代の仲間が、自分の生き方のモットーに近いことを形にしようと動き始めて。オンライン会話もいいですが、どん底ツアーしたいですね。ここらで。
[PR]
by Haruka_Miki | 2010-02-16 00:00 | 経済的営み

師弟のこの頃

年明けに大学のゼミの先生からお便りを頂きました。近くイスラム会社法の本を出すのだとか。先生の自筆で、もちろん、役立たずの本です、という言い回しが先生らしくて、思わず目を細めました。あー、先生のお香を焚いたばかりの研究室で、ナツメヤシでお茶をしに伺いたい。近況報告もしたいです。本が積まれた研究室に、何度と要もなのに足を運びました。最近も引き続き、、イエメンがご贔屓とか。筋金入りのアラビストです。学問で、その位の脱力感とそつのない押しというバランスが案外大切だったりして。楽しみに、新書を待ちたいと思います。

f0079502_8645.jpg
もう一人のゼミの先生もこの三月で定年退職されます。ダンプカー級にダイナミックな団塊の世代の代表選手。学部長の打診もかたくなに断られた辺りが先生らしいです。キャンパスを去った身ですが、先生があの研究室のもういらっしゃらないと考えると、寂しい限りです。二十年以上ゼミを持たれて、今やゼミは大所帯。OB会を開催するにも、現役学生は毎年奮闘です。最後のことですので、できたら三月の退任講義に足を運び、お疲れ様と申し上げたいなと思っています。ちょうどこの時期は、学校の前の大学通りの両側200本の桜が咲き乱れ、本当にきれいなのですよ。いつかまた住みたい街です。

最近の私といえば、もう少しで気候変動(まさか私がこのトピックのプロジェクトに入るとは思いませんでしたが)のグループプロジェクトも終わるのであと少しの踏ん張りです。変わらずのパリ・ロンドン行き来ですが、たいていは早朝か夜授業が終わってから乗っての移動です。たまに昼間に乗ることがあるのですが、それはそれで、外の雪化粧をした耕地を見ながらの移動は情緒があるものです。

そんな景色に似合わない最近の読み物は、藤沢周平の獄医立花登手控えシリーズを読んでいます。軽ーく読めるのがいいです。パリに住んで数十年の日本人の方がどっさり文庫を貸して下さって、嬉しい限りです。どうやら山本周五郎がお好きなようで周五郎作品がまだまだ沢山あるのも嬉しいところ。やはり、海外にいると日本の書物は貴重ですね。

以前に増して、五十代以上の人生の先輩方の生き方がとてもまぶしく。
生涯青春!なんて声をかけるのも失礼なほど。
[PR]
by Haruka_Miki | 2010-02-15 00:00 | エチュード