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パリ発 五感の穴

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朝カフェのすすめ

個人的に、9月のパリは例年とても美しいとしたら、11月は割合とねずみ色が多い月かと思います。
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ここのところ、雨続きのパリは実はそこまで寒いわけでもなくて、灰色の空に見て怖々、気持ちを奮い立たせて外に出てみて拍子抜けすることが多いです。その空模様を見ては、今ステレオで聴いているクラシックの曲たちがこの大陸で生み出された理由が分かるというものです。チャンネル2の朝のニュースをつけて、少しの間だけ空気の入れ替えをし、夜一度起きた際に回しておいた洗濯を干し、コーヒーをエスプレッソメーカーで淹れて、さて今日も一日始めよう!と気合いを入れるのが日課です。

今の時期の私の生活というのは、めまぐるしくとても忙しい日々かと思われがちで、確かに以前と時間の使い方はだいぶ変わったと言えるし、一日がすぐに過ぎては、夜がくるとすこんと深い眠りに落ちてしまうという意味では、やはり日夜のリズムは変わっているのでしょう。とはいえ範囲内では自分の時間をコントロールできるというか、そういう風にしても差し支えない状況を自ら作り出せているので幸せなものです。結局、いくらでも自分自身を制約することはできるし、周りの人々の目や社会的合意などが揃っている必要もあるのでしょうから、そこは運次第でもあると思うのですが、心構え次第で、特段過敏になるような必要もなく、Chilled outという言葉がしっくりくる環境を作ることは全く無理ではないのであります。

昔から、夜更かしが苦手な方だったのですが、そうはいっても、(その場合は仕事後、街に出る前に一度家に帰り休息してから繰り出すというマイペースな状況)夜になってから街に出ることは沢山あって、それはそれで楽しいのでした。それはそれで、きっと今でも楽しめるのでしょうが、生活リズムから行くとあまり自然な感じではないので、最近は朝方の性分に拍車がかかっています。そして。それならば約束事も朝に取り付ければいいのだはと思うようになりました。そんな訳で、友人に外で会う約束も、朝であっていけない理由はないと思い、先日朝カフェというのをしてみました。

普段なかなか行かないマドレーヌ寺院界隈。マカロンが有名なパティスリーです。ここのお店は他の支店に比べて、地元の人が多くて、朝だとビジネスマンが集ったり、暮らし向きのよさそうなマダムがルモンドを読んでいたりして、穴場です。なにしろ給仕がてきぱきしていて気持ちがよくおすすめです。ブランチや午後のお茶もいいけれど、頭がしゃきっとしている朝、こういう過ごし方も乙だなと思いました。
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by Haruka_Miki | 2010-11-14 00:00 |

ローズとわたし、など

最近、パリを通過してくれる友人が多くて、とても嬉しくありがたい感じです。

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15年来の友人、ローズもその一人です。アメリカ人の彼女は産まれがイタリアなので、イタリアにいる従兄弟たちを訪ねた帰りにパリを経由してくれました。国籍で人柄が決まってしまうことはありませんが、私にとっては、彼女はアメリカ人の大らかさやシンプルさ、ストレートさや開拓精神を体現してくれている人です。私の高校生活は他でもない彼女なしには語れません。そんな彼女は七十歳。二年ぶりの再会でも自然体の彼女。沢山笑って、好きなことをお喋りして、i phoneをしっかり使いこなして写真をぱしゃぱしゃ撮って、元気に帰って行きました。久々のアメリカ英語のソワレは、軽やかでした。

そして、またかつて同じ会社で働いていた方がパリでこの度展覧会を開くということで、気に入りのビストロでお昼をご一緒しました。それが。本当に素敵な方で、すぐに時間が過ぎてしまいました。

チュニジアの友人のご子息22歳。192センチの長身に革ジャン。図体に合わない(失敬)とびきりの笑顔とあたたかい心。雨の中ずぶぬれになりながら、それは大きなぬいぐるみを抱えてやって来て、我が家でしばしビールを一杯。

ロンドン時代の友人はこの街に実家があるので、朝からチョコレートケーキを焼いて来てくれました。ケーキを家で焼ける大人、ってなんて素敵なんですかね。我が家が購入したタルト型はいまだ日の目を見ず。そ、そのうち。どうしても、ブタノカクニが食べたいなというので、朝から三枚肉を調達し、豚の角煮を煮込み、別腹で美味しいケーキを頂きました。

インターネットの開設に2カ月かかろうとも、レジで途方もないおしゃべり待ちをしても、数々のうんざり以上にやっぱりこの街は何か惹きつけるものがあるから、そこを通る旅人もまた沢山いて、そういう街にいられることはとっても幸せです。一日一日を大切にしたいと思います。
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by Haruka_Miki | 2010-11-08 00:00

マナー経由おしゃれ

2年で7回。
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ここ最近で引っ越しをした回数です。いくらなんでも多すぎなのではと思うのですが、ノマド的生活はこれからもぼちぼち続く感じです。先月末に新しい家に引っ越しをして、荷解きをし、新しい界隈を散策し、ご近所さんの雰囲気も分かってきました。興味深いことなのですが、その昔語学学校に通うためにホームステイをしたお宅から数えても、かたつむり型に区が置かれたパリ市内で(パリはかたつむり型に1区から始まり20区までの区で成り立っています)、ほぼ毎回少しずつ真ん中目の区に引っ越しを続けていることを発見しました。

ネットの接続もまだ安定しないものの、生活方面ではようやく落ち着いてきたので、我が家にて、先日遅ればせながら引っ越しパーティを行いました。それ以外にも、何かにつけて家ご飯に来てもらうことが多い我が家です。ランチには外に出ることも少なくはないのですが、夜家に帰る必要がないパーティというのは、気が楽です。以前であれば、パーティメニューというのをわざわざ考えて困るということもなくはなかったのですが、今は普通のご飯こそ、一番ぱっぱと作れてゲストに向かい合えるご飯なんだということに気づき、普通の晩御飯をいつもより多い人数でというのが相場です。最も、人を呼ぶとなると、飲み物のデザートは欠かせないようです。ここの兼ね合いで言うと、和食というのは、シメにデザートというのが特段必要ではありません。が、フランスでお家ご飯をしたら、どうしてもデザートとコーヒー・お茶・ハーブティなしにお開きというのが不自然なため、デザートだけはケーキやタルトになったり、突然和の色を控えたものになることが多いです。簡単なところでは、寒天を使ったお菓子があるのですが、小豆を使ったいわゆる和菓子は、残念にも万人受けせず、そういうのはサントノレ通り近くの和菓子屋さんでお茶をするような有閑マダム以下、ジャポノフィルなフランス人に限られるのではと思われます。

先日の引っ越しパーティも、特段ジャポノフィルが多いわけではなかったので、シメサバ、などハードなラインナップは少しやめておいて、鴨のハリハリ・パプリカとバジルの白和え・中華サラダ・とんかつ・シソと梅のチキンカツ・白みそ風味の鶏とかぶのグラタン・ちらし寿司などを食しました。シャンパン、白ワイン、赤ワインとよく開け楽しいソワレでした。

そして、今回のソワレで気づいたこと、それは靴というものが持つ意味合いの違いです。引っ越し屋さんにも、お客さんにも必ず靴を脱いでいただけますか?と言うことにしていて、パーティの際も事前に、靴を脱いでもらわなくちゃいけないから、必要であればスリッパを持って来てねとお伝えします。そうすると、ゲストも快く脱いでくれるか、必要であればスリッパを持ってきてくれます。今回も、ひと組のご夫妻はモロッコのバブーシュ持参でした。というのも、正式な場、お呼ばれの場というのは通常靴でというのがマナーであるわけで、引っ越ししてから既にかなりの交流があるお隣さん夫婦も、お隣のドアと我が家のドアは歩いて文字通り一歩、なわけなのに、初めて靴でお見えになりました(いつもは部屋履きのスリッポンで行き来)。初めてフランスに語学留学したお家も、人を呼んでのソワレには、決まって奥さんはハイヒールで家の中を闊歩していたものです。

そういう文化圏だからこその頂き物。まだ歩けないけれど、やっぱり靴です。一人前に世の中に出た証、オシャレ以前のマナーは足元から、ということなのかな。私には発想すらなくて。とても面白いです。
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by Haruka_Miki | 2010-11-04 19:17 |