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パリ発 五感の穴

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紙一重な女であるということ

Kusama Yayoiさんの作品を初めて見たのはいつでしたでしょうか?それが直島の地中美術館でのことか、北浦和の美術館だったか、たぶん、学生時代の横浜トリエンナーレの水面のインスタレーションではないかと思うのですが、定かでありません。

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アート誌はもちろん、今週のEconomistにだって取り上げられてしまうお人。「存命の女性アーティストで二番目に高値がついた作品を作るアーティスト」ですって。こういう82歳って、ちょっとなりたくてなれるものではない。たぶん、ご自身に見えてしまう、凡人に見えない世界というのはそれはそれで苦しいのでしょうけれど、それを外に出してご自身を慰められていることが、結局他人への強烈なメッセージ性を帯びたものとして映るとき、それは当然独りよがりのものではないし、唯一無二の才能を持った方の苦悩でしょう。わたくしなどは、そう考えると、なんとほーっと生きていること、か。先日まで、ポンピドゥーで展示がされていて、家から徒歩圏内なのに行けなかった。残念です。今くらいの年だったら、これからは坊と一緒に行けるかも。幼児の目に映る、草間さんの作品って、どんなんだか気になるじゃありませんか。

さて、LVMHは現代美術家がお好き。村上さん、スティーブン・スプラウスさん、リチャード・プリンスさんの次は草間さん、7月に限定コレクション販売だそうです。個人的に、このお三方と草間さんは一線も二線も画していると思っています。

スプラウスさん デザイナーでもある。ロックアーティストをモチーフにしたアートも有名。LVではマークジェイコブスからのオファーで2001年春夏にコラボレーション
村上さん こちらもマークジェイコブさんからのコラボレーションオファー。アニメ・サブカルチャーをベースにしたポップアートが多い。
プリンスさん アメリカンポップカルチャーの膨大なイメージから抽出したヴィジュアルアート作品。LVとは2008年にコラボレーション

ということなのですが、なんというか、お三方のことを存じて上げていないので、なんとも言えないし、ましてや草間さんのことを存じ上げていないのでこれまた何とも言えませんが、素人の印象でお三方と草間さんが異なる点としては、その命のかけ方?拝金主義ではないところ?紙一重なところ?内面的なものと常に戦っている印象をうけるところ?分かりませんが。でも接点はあって、やはり皆さんアメリカの地を踏んでいること。これは、やっぱりフランス、じゃないわけです。イギリス、じゃないわけです。その辺が20世紀を象徴しているように思えてならない。

とりあえず、色々な感情を抱けそうなので、今夏にはシャンゼリゼにぜひ足を運びたいと思います。

最後に、ネットで見つけた面白い記事をリンクさせて下さい。
立命館大学人間科学研究所主催の対談です。
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by Haruka_Miki | 2012-02-08 00:00 | 芸術

家を燃やされないように

お久しぶりです。
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ブログから離れるのも近づくのも自分次第。書きたいことは山ほどありますが、プライオリティが下がるのは、「自分の時間」を持っているからか、もしくは持っていないからか。いずれにせよ、一人の子供の存在は、喜び沢山。制約はといえば、子沢山の先人たちに比べれれば、冗談なほど本当はたっぷり時間があるんでしょう。

極寒のヨーロッパはフランス、パリ。この地にも寒波はやってきました。週末はフォンテンブロー泊だったのですが、銀世界、ではないにしろ、一面に拡がる草原の寒々しい・けれど美しい冬の光景と言ったら!こういうときには、赤ワインに、じっくり煮込んだお肉料理なんていいですね。もしくはラクレット。というのは幻想で、現実には、なぜか夕飯はタコスです。コリアンダーを沢山刻んで頂きました。

さて、大変珍しいのですが、我が家の坊が腹を下しており(お食事中の方ごめんなさい)、小児科に行ってきました。以前は区がやっている病院・保健所のようなところで定期健診を受けるだけだったのですが、ワクチン予防接種などが少なくなるにつれ、かかりつけのお医者さんがいた方がよいと判断し、ホームドクターにここ数ヶ月はお世話になっています。二人の小児科医がクリニークを開いており、お二人ともとてもやさしいです。今日はおじいちゃんドクターの日でした。おじいちゃんドクターは、前の男の子が終わると、なぜか手にハサミを持っていて、次に髪の毛切る方ー?と待合室に叫びました。おちゃめなムッシューです。いつもは、ベトナム系の奥様ドクターが担当なので、おじいちゃんドクターは初めてです。その診察は、とてもユーモラスで新しい視座を与えてくれるものでした。まず、お腹の具合は、今流行っている胃腸炎とのこと。さほど心配する風でもありません。熱もありませんし、と。フランスは、熱があるかどうかがポイントのことが多い気がします。鼻風邪でも、熱ないなら保育園も全く気にしません。

そして、彼はおいくつ?とドクターが聞き、18ヶ月目ですと答える私。そう、だったら、P○Gの回し者にどうしてもなりたい場合以外は、そろそろおむつ、取り始めたらいいんではないですか、と。午前中は保育園に行っているのですが、と言うと。ああそれだったら、保育園もおむつ代が浮くから喜んでお手伝いいただけますよね?と尋ねてみたらいかが、と。一時間しない日、二時間しない日、と少しずつ慣らせていくんですよ、あとはまあ親御さんの根気と、子供の性格と、保育園のサポートによりますけど、って。あと、おむつする場合も、ビニールが入っているものでなくて、コットンのもの、あれフランスじゃああまり売ってないですけどね、やっぱりおすすめです、と。

その次に、坊はいつも仲良しのクマちゃんを持っていて、眠くなったり、甘えたくなったりすると、そのクマちゃんをぎゅっとするのですが、クマちゃんだったり、おしゃぶりはそのままさせていていいのでしょうか、と。坊は川の字というのを殆どせずに寝るので、クマちゃんはコンパニオンなわけです。

そうですねー、僕がそう、まだ半人前だった研修医の頃、こんな話を聞きました。家父長的なお父さんが、10歳の息子に、息子よ、君はもういい年だ、そろそろキリンの人形は捨てなさい、赤ちゃんじゃないんだから、と。そうしたら、息子はおとなしくキリンちゃんを捨てたのですが、その代わりに、家に火をつけたんだそうです。わたくしびっくり。冷静な顔のドクター、ま、アネクドート(逸話)ですけど、って。だってね、奥さんだってきっとそういう親友がいたはず。そしてその気持ちを私たち大人は忘れてしまっただけ。ある日目覚めたら、親友がさよなら言わずに遠い旅に出たら、それは落ち込むでしょう。それに。親友に代わる、人間のお友達、ガールフレンド、パートナーと出会ったら、クマちゃんはそのときその大役を勤め上げたことになるでしょう。それまではま、自然体でいいんじゃないですか。

坊よ、家を燃やすくらいなら、いつでもクマちゃんに頬ずりすればいい。おしゃぶりを片言のフランス語で探すがよい。そして、おふくろー、もういいよ、と自覚が出るまで、沢山抱いてあげましょう。
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by Haruka_Miki | 2012-02-06 00:00 |