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パリ発 五感の穴

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日曜夜の美術館

昨年から今年にかけて、パリではピカソ関係の展示が三つだかあって、ピカソづいています。一つには、マレにあるピカソ美術館が改修で三年ほどお休みというのがあるようなのですが。というわけで、昨年度もやはり日曜日の晩に行ってみたものの、長蛇の列で断念。致し方なく観たEmil Nolde展もそれはそれで興味深かったのですが、やっぱり。と、グランパレのピカソ展へ。多くはバルセロナのピカソ美術館のコレクション、それ以外も色々と集められていて、充実していました。
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(2004年秋。マレの美術館が開いていた頃)

ピカソ展で思うところを三つ記したいと思います。

①夜は22時まで
これは、結構珍しいと思うのですが、グランパレのピカソ展は木曜日を除いて22時までやっているとかで、すごいなと。パリでもNYでも東京でもロンドンでも、通常18時前後には閉館するものなので。夜開館するということは、つまりそれだけ集客できる企画ということなのでしょうが、結局美術館もハイアートとはいえサービス産業なわけですよね。人々のニーズに合ってなんぼ。その辺が結構、美術館という器はこう守られてしまっているというか、なかなか夜開けようとはならない気がします。東京でも森美術館のような商業施設化した美術館は夜遅くまでやっているかと思いますが。費用対効果を考えた時に毎日は無理にしろ、もっと社会人も楽しめるような時間帯を積極的に導入する美術館があってもいいのかなと思ったりします。結局アートは、お金も時間もある人々の暇つぶし、というような方法ではない、もっと社会で働く人々の憩いの場になるようなものにはなりえんのでしょうか。つまるところは、美術館て誰による誰のためのもの?という根本的な視点を考えさせられました。

②時間予約という方法
ピカソ展だとかそれ以外にも今週末まで開催中のポロック展など、時間予約ができるシステムがあります。案外人気でとれない場合もあるのですが、これですと並ばずに済むわけですし便利です。美術館に行って、人様の頭しか見えないというのはかなり困った事態ですし、逆に効率化が行きすぎて時間予約しかできないとなると、その時点で鑑賞者が選ばれてしまって、どうも間口が狭い雰囲気にもなるかもしれません。いかがでしょうか。

③協賛企業の力
今回の展示は、全面的にLVMHのバックアップがあったようですが、メセナの重要性を考えるこの頃です。企業にとっては第一ミッションではありえないわけで、その都度の財政状況によっても変わってくるのがメセナへのコミットメントだと思うのです。そこが危うい反面、視点を変えれば、まる儲けのメセナというのも存在し得ないといえば嘘かと。
by Haruka_Miki | 2009-01-12 00:00 | 芸術
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