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パリ発 五感の穴

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寄席=ジャズのセッション

「落語はジャズみたいなものだよ」と彼は言った。

落語愛好歴云年、私達世代でもそれ以上でも、この世界ではかなりの通の友人に、落語とは何たるかを尋ねた際の回答だ。これを聞いて、マンガの一コマであれば、私は目を見開き、稲妻が走るような衝撃を受けた。

ジャズ!落語が。そのこころは!

今日は、新宿は末広亭まで、落語好きの友人に連れ立ってもらい、寄席を見に行った。私はちゃきっちゃきの、完璧なる初心者であり、右も左も分からず、三味線の音さえ新鮮さを感じ、きょろきょろしだす仕舞い。通のアドバイスで、まずは伊勢丹で弁当を調達する。いつもこうして弁当を買って末広亭まで向かうのさ、という落ち着き払った面持ちの通とは異なり、私はさながら遠足の気分で心躍った。食い意地が張っているから、色とりどりの食品を前に夢中になったのも事実だが、何かこれは並々ならぬ期待のさせ方。弁当を購入するというイントロダクションだけでも、期待度は増した。

お金を払い、中に進み、横っちょのお座布団の席に進む。いやあ、これがなかなか。話し手の一席、一席に私は大笑い。さて、通のレクチャーによれば、噺というのは決まったものがあり、古典であり創作されたものであり、そのお話を、それぞれの話し家がそれぞれの間の取り方や話し方、などなどで色づけしていくらしい(間違っていたら、修正してください、師匠。)私などは、話し手達が奏でるお話しの粗筋など存じておらず、そのため、「ジャズ」というメタフォーが意味する核までは到達しかねるのだけれど。友人の言葉がなんとなくわかるような気がした。

覚めやらぬ興奮と裏腹に、終演後のギネスとモヒートでいい気持ちに眠くなってきたので、ここらで続きはまた今度。
by Haruka_Miki | 2006-09-18 00:00 | Nippon
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