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パリ発 五感の穴

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あの頃の、あの場所の、あの思想

ぜんぶ、フィデルのせい」を観ました。あの頃の、あの場所の、あの思想_f0079502_23525582.jpg

最近、ペルセポリス然り、子供の視点で社会や政治を見つめるお話って結構多いですね。エッセンスが取り込みやすくて、理論がちがちにならないからメッセージがより伝わり易い気もします。

内容については観ていただくに限るのですが、とりあえずキーワードを。フランスはパリ、カトリックの小学校とその中での規範、地方都市の地主という立場、左翼に目覚めるインテリ両親、その背景となる七十年代という時代、フェミニストと性の開放、南米に渡るフランス人、うーん、なんか私が関わり合った人々との限られたお話しを振り返っても、あれー?これってなんかあの人の話みたいだなぁ、あそこのお宅みたいだなぁということがちらほら。

さて、自分が生きている時代、生きている場所、自分自身の思うところも含め考えたのですが、やはり時代の思想があると。時代の動き方があり、トレンドがあると。世界を変える変え方は、それは革命的思想であったり、組織の一翼となり内部から変えるだとか、組織も政府であったり、民間であったり。そして、激しいぶつかり合いではなく、2008年現在、流行っているのは専ら、お金だけ稼いでいるのはいやだ、ボヘミアンで終わるのもちょっと、とBOBOS(Bourgeois Bohemians)だったりします。私も、足元には及びませんが、思想的にはそのトレンドに取り込まれた一人であり、そうなると「自分のスタンス」という個性のもろさを痛切に感じたり、まぁそこまで考えなくてもいいんじゃない、と思ったりです。

映画もさることなのですが、映画館で映画を観る時に、唯一絶対に外せないことがあります。それは、エンドロールが終わるまで映画を鑑賞する、です。これは高校生の時に映画マニアの友人が切々と説いてくれたこと。以来エンドロール中に席を立てなくなりました。館内が明るくなったりすると相当残念になります。むしろ、この余韻のために、その瞬間に作品の作り手に敬意を示すために映画館に行くと言っても過言ではありません。

今宵の映画館には15人ほどしかいなくて、しかも皆ちゃーんとエンドロールまで席にいて、主張しっかり、同時にそういうゆったりとした感じがお似合いの映画でした。
by Haruka_Miki | 2008-02-13 00:00 | 芸術
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