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パリ発 五感の穴

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嬉しい日

大学のゼミ仲間の結婚式に参加しました。北海道・九州からも集結し、先生の音頭で杯を交わし、懐かしい面々と会えてとても楽しい時間でした。12名のゼミ生中、9名が披露宴からの参加で、新郎Oちゃんの何人にも愛される人柄を証明していました。先生を中心に、ゼミ生でテーブル一つを囲んでいたので、途中から完全に同窓会のノリになっていましたが、久しぶりにこうして学び舎の仲間の近況を聞きあうことは本当に楽しく嬉しいものですし、それぞれの道で元気にやっている姿を見て、互いに鼓舞されもします。

先生が乾杯のときに話していた言葉がとても印象的だったので、記しておこうと思います。愛すべき男性アイドルのOちゃんが、いかに教養人たる風格を身につけたか、その影に奥さんとの出会いがあったかというものですが、教養人について以下の引用です。

教養人とは「あらゆることについて何事かを知っており、何事かについてはあらゆることを知っている人」

先生の専門、そして政治学のゼミとして最初に読んだ丸山眞男氏の言葉を引用してのスピーチです。ジョン・スチュワート・ミルの言葉を引用して、丸山氏が「社会科学入門」で書いた言葉です。ちなみに、氏の言葉は政治学者について述べたもので、以下のように続きます。「指揮者は管弦楽のあらゆる楽器の専門奏者には到底なれないが、少くもそれぞれの性質や奏法を一応全部知っていなければならず、しかも指揮法については徹底的に精通していなければならない。政治というのはつまりおそろしく複雑な楽器編成をもった人間社会をコンダクトして行く技術であり、それに関連する科学的知識の体系が政治学だということになる。それがどんなにはるかな目標であり、どんなに険しい山谷が横たわっていようと、この途を倦まずたゆまず辿って行くのが政治学に与えられた運命なのだ。」

曲りなりにも、政治学のゼミ生として学士を卒業した私たちの今を見れば、医学の道、ジャーナリストと様々です。けれど、学生時代の礎を元に、様々な事象への眼差しと感覚を研ぎ澄ませ、しかしながら自身が選んだ道に関しては出来る限りの深さを追求すること、それは私たち一人ひとりが目指したいところなんだと思います。日々の諸処で忙しくしていると、その大きなところでの方向性は忘却の彼方ですが、先生の乾杯の音頭は、久々に晴れた爽やかな初夏の日の乾いた喉を潤してくれるだけでなく、皆の心にもじーんと染みて、一層酔いの回りを早くさせるのでした。
by Haruka_Miki | 2008-06-07 00:00 |
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