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パリ発 五感の穴

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概念と言葉のことなど

毎度、ご無沙汰しています。風邪をひきましたが、相変わらず元気です。一日一日ここに在る有難さを感じつつ、雪も大歓迎です。黒いコートを日本に置いてきたので、ピンクベージュコートで凌いでいます。
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デパート。9月の画像で失礼。

最近は何をしているかと言うと、引き続き、グローバルガバナンス関連でG20について調べたり、ユーゴスラヴィアやルワンダなど人道に対する罪における国際裁判のScapegoatingな一面について考えたり、在日ヨーロッパ企業の活動を調べたり、パリにおけるここ40年の都市計画について調べてラ・デファンスに行ったり、やっと滞在許可書を手に入れて大喜びしたり(記念?に健康診断のレントゲン写真を頂戴したのですが、処分しかねて困っています)、週末にクラスメートのお家にお邪魔したり、ワインクラブのテイスティングに参加したり、久々に映画が見たいと思っていたら諸事情により、当初予定していた映画ではなくなぜかトランスポーター3を見ることになり(don't ask me why)小生の嗜好から行くとかなり厳しい状況だったり、ミクロ経済の勉強をしたり、相変わらずこちらでも私らしいといえばまあそうなのだ、という生活を送っているわけです。

さて、今日の特別講義はOECDのお偉いさんを迎えてだったのですが、今夜はTerritoireという概念に振り回されることになりました。こちらに来てよく思うことですが、仏語の概念は英語にも直しかねるし、当然日本語でも難しいという事態によく陥ります。テーマは、EUの存在は何たるかということなのですが、そこにEconomicないしSocial Cohesionを求める動きと、同時並行して内部の競争力を高めることを念頭に置いている、しかしCohesionは目的ではなく、さらなる高みへのプロセスなのだということを盛んに強調しておられました。しかし、そもそも論として、Territorial cohesionてなに?Territoryってなに?と、おそらく直訳に当たる「領土」という言葉をかなり限られたコンテクストでしか耳にしない私には、どうも馴染みがありません。やはりそこはTerritoireという言葉一つをとっても、これはかなり仏的で、というのもそこに在る文化、社会、政治的背景にかなり左右される概念なのですよね。

Rethinking European Spatial Policy as Hologramによれば、Territorial cohesionとは最初に異なる空間カテゴリー間の(大枠では都市と農村部という意味が含まれるものと思われる)経済格差是正がその概念の中核を占め、しかしながら他の作者は経済や社会的な結束と異なり、Territorial cohesionはその空間の性質をより際立たせるべし、というスタンスの人もいるようです。いずれにせよ、私はこの概念のエッセンスがいまだとして咀嚼できずにおります(追:私の大学院のアーバニズムのコースはMention Stratégies territoire & Urbanisme と呼ばれており、このことからも、いかにこの概念がヨーロッパ、少なくともフランスで重要か察することがでいます。)

いまだカメラの写真をPCにアップロードできずにおりますが、また近いうちに写真をアップデートできるとよいなと思いつつ。またです。
by Haruka_Miki | 2008-12-10 00:00 | エチュード
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